Column
コラム
こんにちは。デンタルサポート訪問サポート担当の野田です。
私は地方エリアでの現場サポートや訪問先営業など、訪問歯科診療の支援業務全般に携わっています。
訪問歯科診療に関するお悩みから問題点を分析し、課題解決のヒントをお伝えします。

連載「訪問歯科診療の施設開拓」では、施設開拓を目指す訪問歯科医院に向けて、施設訪問を成功させるための準備と具体的なアプローチ方法を、段階ごとに解説しています。
第1回では、「居宅と施設の違い」「施設側の構造」「自院の強みと条件の整理」など、アプローチ前に整えておきたいポイントをお伝えしました。続く今回の第2回では、「面談の場で何を確認すべきか」、そして「面談後の保留状態を突破し、いかにして契約まで繋ぎ留めるか」。その具体的なプロセスとアプローチ手法を詳しく解説します。
※このシリーズは、これから施設への訪問診療を始める医院を対象としています。すでに施設訪問の経験があり、契約施設を増やしたい場合は、[【第1回】施設集患を強化する「加算協力と連携」|患者が増えない理由は「関係の設計」にあり(公開日:2026/04/22)]もあわせてご参照ください。
訪問歯科診療を始めた医院から、こうした声をよく聞きます。
「面談の雰囲気は良く、好感触だった。しかし『検討します』と言われたまま連絡が来ず、結局契約まで至らない…」
こうした状況は、施設側に訪問歯科診療への関心がないことが原因で起きているわけではありません。
多くの場合、原因は次の2点にあります。
次項から、面談の場で押さえるべきポイントと、契約につなげる3つのステップを解説します。
訪問歯科診療に関心を持つ施設では、面談に現場の責任者や意思決定者(施設長など)、またはそれに近い立場の方が同席することが一般的です。ただし、施設側にも契約のためのプロセスや、さまざまな事情があるため、その場で即断即決できるケースは稀です。
そこで、面談の場では次の2点を必ず確認しましょう。
ただし、面談での確認はあくまでスタート地点にすぎません。
「検討します」で止まる状態を抜け出し、実際の契約にたどり着くためには、面談後にどのような手順で関係性を深めていくかを、あらかじめ決めておくことが重要です。
次項で、「面談後、契約につなげる3つのステップ」を具体的にご紹介します。
多くの歯科医院が陥りやすいのは、「面談から契約へ」と一段飛びで進めようとすることです。入居者様の健康を守る責任がある施設側にとって、実績のない歯科医院と突如契約を交わすのはリスクを伴います。慎重になるのは当然のことと言えるでしょう。
そこで、まずは負担なく関係性を築くための「小さな接点」を提案します。これは契約ではなく、施設・入居者様・歯科医院の三者にとって、負担やリスクが少ない「お試しの機会」です。
「小さな接点」を提案する際は、次の3点を伝えると、施設側に受け入れてもらいやすくなります。
無料検診や口腔ケア講習の本当の目的は、自院の「強み(義歯調整、誤嚥性肺炎予防、摂食・嚥下リハビリなど)を実際に体験してもらうことです。
そのため、「何でも対応できます」という万能アピールよりも、「当院は〇〇に関心・強みがあります」と一点突破で伝えるほうが、施設側の具体的な悩みと結びつきやすくなります。
次に、小さな接点から定期訪問へとつなげた2つの成功事例を紹介します。
ある施設で食事量が減っている入居者様に対し、無料検診を行ったところ、義歯が合っていないことが原因だと判明しました。
無料検診では診療ができないため、施設側に「義歯を調整すると、痛みが和らぎ、食事がとりやすくなるかもしれません」とフィードバックしました。施設職員からご家族へその旨を伝えていただき、正式な訪問治療の依頼へとつながりました。
義歯の調整後、入居者様の食事量が増え、加えて滑舌も良くなり、以前より会話が活発になったという声が施設職員から寄せられました。
A医院の「義歯調整の強み」が、入居者様の具体的なQOL向上に直結した好例です。
B歯科医院は当初、希望した一部の入居者様(数名)を対象に検診を実施していました。しかし、希望者が少なかったため、検診後に診療へとつながる入居者様がなかなか増えませんでした。
そこで、B歯科医院は「施設全体で口腔衛生管理に取り組む」という視点から、入居者様全員を対象とする一斉検診の実施を提案しました。
検診の際は、う蝕や歯周病の有無に加え、自院の得意分野である「むせ込みや食べこぼし(口腔機能低下)」のチェックも行いました。予想以上に口腔機能が低下している入居者様が多い事実が明らかになり、施設側も対策の必要性を認識しました。結果として、施設全体の定期訪問歯科診療へと発展しました。
これら2つの事例の共通点は、「自院の強み」によって「入居者様や現場スタッフの状況が目に見えて良くなった」という実体験を施設側に提供できた点にあります。この実感こそが、最大の契約動機になります。
無料検診や講習が無事に終わったら、必ず「報告書」を作成して施設に提出します。
現場の様子を直接見ていない意思決定者(施設長など)に対し、紙面で状況を正しく共有するためです。報告書には、主に以下のような項目を記載します。
面談の場で決め手がなかったとしても、そこで諦める必要はありません。
「小さな接点でお試しをしてもらい、そこで出した成果をわかりやすい報告書として届ける」。この一連の成功ルートをパッケージ化してしまえば、他の施設へアプローチする際にもそのまま応用できるようになります。
まずは、貴院が最も得意とする「強み」を明確にし、それを体験してもらうための「最初の小さな一歩」を設計することから始めてみましょう。
今回(第2回)は、面談で何を確認すべきか、そして契約前にどんな小さな一歩を提案すればよいかをお伝えしました。自院に合ったアプローチ方法をひとつずつ形にしていきましょう。
「自院に合った『小さな接点』の作り方がわからない」「提案資料や報告書の作成をサポートしてほしい」といったお悩みがございましたら、当社までお気軽にご相談ください。
商圏調査から、施設の広報支援、初回面談への同行、信頼関係を作るためのステップ設計まで、貴院の状況に合わせた伴走支援を行なっております。初回のご相談は無料ですので、まずはお気軽にご連絡ください。
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