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訪問歯科診療 公開日:2026/07/08

訪問歯科診療の施設開拓【第1回】アプローチ前にすべき3つの準備

訪問歯科診療の施設開拓【第1回】アプローチ前にすべき3つの準備

こんにちは。デンタルサポート訪問サポート担当の野田です。
私は地方エリアでの現場サポートや訪問先営業など、訪問歯科診療の支援業務全般に携わっています。
訪問歯科診療に関するお悩みから問題点を分析し、課題解決のヒントをお伝えします。

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連載:訪問歯科診療の施設開拓では、施設開拓を目指す訪問歯科医院に向けて、施設訪問を成功させるための準備と具体的なアプローチ方法を、段階ごとに解説しています。今回は、アプローチ前に整えておくべきポイントを紹介します。

この記事を読めば
  • 挨拶回りをしても面談につながらない理由がわかる
  • 施設側に「自院に切り替えるメリット」を提示する重要性がわかる
  • アプローチ前に整えるべき3つの準備(居宅との違い・施設側の構造・自院の強み整理)がわかる

※このシリーズは、これから施設への訪問診療を始める医院を対象としています。すでに施設訪問の経験があり、契約施設を増やしたい場合は、[【第1回】施設集患を強化する「加算協力と連携」|患者が増えない理由は「関係の設計」にあり(公開日:2026/04/22)]もあわせてご参照ください。

挨拶回りで手応えがない理由とは?

「何度施設に足を運んでも、受付で話が終わってしまい、面談の約束すら取れない」
訪問歯科診療を始めたばかりの医院で、よく耳にする悩みです。広報活動や挨拶回りを重ねても成果が出ない場合、問題はアプローチ方法よりも、動き出す前の準備にあることが多いです。

施設開拓で重要になる「自院に切り替えるメリット」の提示

多くの施設では、すでに「協力歯科医院」が決まっています。そこから自院に切り替えてもらうには、施設側にとっての「メリット」を具体的に示せるかどうかが決め手になります。
具体的には、次のような「利便性」や「専門性」が求められます。

利便性の例
・施設の都合に合わせた柔軟な訪問スケジュール対応
・急な口腔トラブルに対する迅速な緊急対応体制 など

◆専門性の例
・誤嚥性肺炎を予防するための専門的な口腔ケア
・全身疾患を考慮した安全な歯科治療の体制
・摂食嚥下リハビリテーションによる機能回復への対応 など

ただし、切り替えの理由は施設によって違います。施設側の課題や現状をある程度リサーチしてから、アプローチしましょう。
そこで次項では、施設へのアプローチを始める前に整えておくべき3つの準備について解説します。

【準備1】訪問歯科診療における「居宅」と「施設」の違いを確認する

訪問歯科診療には「居宅(患者様の自宅)」と「施設(介護施設)」の2種類があります。
居宅患者への対応に慣れている医院ほど、施設でも同じ感覚で動いてしまい、トラブルになるケースがあります。居宅と施設の主な違いは以下の3点です。

  • 書類・手続き:施設連携に必要な書類や事務フローが増える
  • チーム体制:複数の患者様への対応が前提になるため、訪問チームの体制が問われる
  • 関係構築の対象:居宅では患者様本人・家族・ケアマネジャーとの関係が中心だが、施設では施設職員との連携が必要になる

こうした違いから、居宅対応の延長線上で施設に入ろうとすると、対応漏れや認識のずれが起きやすくなります。まずは自院の体制で施設で対応できるかを確かめることから始めましょう。

【準備2】施設側の組織構造と意思決定の流れを理解する

自院の体制を確認したら、次はアプローチ先となる施設側の体制や意思決定の流れを押さえます。

提携歯科医院の選定に関わる人が複数いる

外来や居宅訪問とは異なり、施設における「提携歯科医院の選定」には、生活相談員や看護師、施設長など複数の関係者が関わります。また、「窓口担当者」と、「実際の決定権を持つ人(意思決定者)」が異なるケースがほとんどです。
そのため、「誰に、何を提案すべきか」を事前に整理しておかないと、提案が窓口担当者で止まり、意思決定者に届きません

介護施設の種別によって優先されるニーズが異なる

たとえば、特別養護老人ホームでは医療的ケアの需要が高く、グループホームでは認知症対応や生活支援に重点が置かれるなど、求められることはかなり違います。施設の種別とニーズを把握せずに動くと、的外れな提案になりかねません。
施設側の構造を把握したうえで、次に「自院ができる対応や提案(強みと条件)」をしていきます。

【準備3】自院の「強みと提供できる条件」を事前に整理する

自院の「強み」と「提供できる条件」を、以下の4つのポイントに沿って整理しましょう。

自院の「提供できる強みと条件」を把握するポイント
  • 1|訪問できるエリア・曜日・時間帯
    自院から無理なく訪問できるエリアや、受け入れ可能な曜日・時間帯を事前に決めておきましょう。
  • 2|緊急対応と加算への協力体制
    急な診療依頼へのスピード感や、施設側の加算取得への協力体制を整理しておくと、説明がしやすくなります。
  • 3|他院と差別化できる自院の強み
    誤嚥性肺炎予防、摂食嚥下リハビリ、認知症対応など、他院と差別化できる得意分野を整理しておくと提案の説得力が増します。
  • 4|受け入れ可能な患者数(キャパシティ)
    機材やスタッフの状況から、同時に何名程度の患者様に対応できるかを把握しておきましょう。
この4点を整理しておけば、施設側から「何ができますか?」と聞かれたとき、その場で答えられます。それが、施設からの相談や面談につながります。

サポート事例紹介

【Before】準備不足で挨拶回りが空振りに終わった事例
歯科医院は「訪問歯科診療をやっています」と近隣施設に伝える挨拶回りを続けていました。毎回「担当者に伝えておきます」で終わり、面談には一度もつながりませんでした。対応条件や強みを整理しないまま動いていたため、施設側に「自院に切り替えるメリット」がまったく伝わっていなかったのです。

【After】対応条件を事前に整理して面談につなげた事例
そこで同院は、得意とする口腔ケアの内容(強み)を書き出し、訪問可能エリアや対応曜日・緊急時のルールといった「条件」も整理しました。こうして内容を整理したうえで再アプローチすると、施設側の質問にも迷わず答えられるようになりました。「一度、詳しく聞かせてほしい」と、意思決定者との面談につながったのです。

施設開拓に向けた、自院に合った進め方を一緒に考えませんか

施設への新規参入では、動く前の準備がすべての出発点になります。「とにかく挨拶に行く」ではなく「整えてから動く」を意識するだけで、初回アプローチの質はかなり変わります

施設開拓に向けて、最低限押さえておきたいのは次の3点です。

  • 訪問体制・事務フロー・自院のスタッフ配置が、施設対応できる状態かを確認する
  • 施設の種別によって求められる対応が異なることを理解する
  • 自院の強みや提供できる条件を整理し、施設側に伝えられる状態にしておく

とはいえ、「何をすべきかはわかるが、どこから手をつければいいかわからない」という場合、整理作業だけでも相当な手間がかかります。商圏・市場の調査や施設ごとの広報方法の検討まで含めると、専門的な知識が必要になる場面も出てきます。
当社は訪問歯科診療を25年以上支援してきた専門会社です。商圏・市場の調査から施設への広報支援まで、貴院の状況に合わせて対応します。初回のご相談は無料ですので、まずはお気軽にどうぞ。

【次回予告】
次回はいよいよ、施設へのアプローチへと踏み出します。テーマは「候補施設の絞り込みと、誰にどう動くか」。どの施設から始めるべきか、その判断軸となる情報整理の考え方と、窓口担当者から意思決定者へとつなげるための具体的なアプローチ方法までを解説します。

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