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訪問歯科診療 公開日:2026/04/22

【第1回】施設集患を強化する「加算協力と連携」|患者が増えない理由は「関係の設計」にあり

【第1回】施設集患を強化する「加算協力と連携」|患者が増えない理由は「関係の設計」にあり

こんにちは。デンタルサポート歯科事業部の萩原です。
訪問歯科診療サポート歴20年。現場サポート、介護施設などへの営業経験を活かし、「訪問歯科を”地域に必要とされる診療”として根付かせる」ことを目標に支援を提供しています。

紹介写真

院長先生、施設訪問でこんな状況はありませんか?

  • 診療後に報告しても、施設職員の反応が薄い
  • 「他にお口にトラブルがある方はいませんか」と尋ねても、「今のところ大丈夫です」で会話が終わってしまう

介護施設と契約し、定期的に訪問しているにもかかわらず、患者数が思うように増えず、悩む院長先生は少なくありません。
訪問先を増やすだけでは解決しない伸び悩みの背景には、施設との関係の築き方に原因がある場合があります。

本コラムは、訪問歯科診療における施設集患をテーマにした全3回の連載です。第1回となる今回は、患者数が伸び悩む構造的な原因と「加算協力」が施設との関係構築の入口になり得る理由をお伝えします。

連載目次
訪問歯科の施設集患を強化する「加算協力と連携」【全3回】
  • 第1回: 患者が増えない理由は「関係の設計」にあり(本コラムで解説)
  • 第2回: 対象施設の見極めと話の切り出し方(公開予定:2026/05/27)
  • 第3回: 負担を減らし経営成果につなげる運用設計(公開予定:2026/06/24)

訪問先を増やすだけでは、集患の課題は解決しない

患者様がなかなか増えないとき、多くの院長先生は訪問先の施設数を増やそうと考えがちです。しかし、施設数が多くても集患に苦労している医院はあります。一方で、施設数が限られていても、着実に患者を増やしている医院もあります。最大の要因は、施設との関係をどのように設計するかにあります。

「診療と報告だけ」の関係が生む2つのリスク

施設訪問が「診療と報告だけ」で終わっていると、施設は歯科医院を「呼んだら来る業者」のように捉えがちです。こうした関係からは、次の2つのリスクが生まれます。

「呼んだら来る業者」扱いが招く2つのリスク
  • リスク1|相談のハードルが上がり、新規紹介が生まれない
    施設職員が利用者様の口腔内の変化に気付いても、相談しづらい状態が続くと新たな患者紹介につながりません。
  • リスク2|「替えが利く存在」となり、突然、訪問終了となる
    明確な連携の根拠がなく「なんとなく」継続しているだけでは、担当者の交代や競合からの提案をきっかけに、関係があっさり終わることがあります。

紹介につながる信頼は、診療技術だけでは生まれない

施設が利用者様を紹介するとき、その背景には「この歯科医院なら任せられる」という信頼があります。質の高い診療や訪問頻度は、あくまで信頼の「土台」にすぎません。そこに「この歯科医院は相談しやすい」「現場を理解してくれている」という安心感が加わってはじめて、利用者様を紹介してくれます。

信頼を生むのは、単なる訪問回数ではなく「関わりの中身」

情報が一方的に流れる関係だと、施設職員はどうしても受け身になりがちです。
「お口のことは歯科に任せればいい」という意識が根付いてしまうと、訪問回数をいくら増やしても信頼関係は深まりません。
では、どうすれば施設との関係は変わるのでしょうか。
必要なのは、施設職員が「一緒に取り組んでいる」と実感できる双方向の関わりです。そのきっかけのひとつとして、施設側が算定できる「加算」への協力が挙げられます。

加算協力を「関係構築の入口」として使う

加算協力とは何か

代表的な加算には、「口腔衛生管理加算」や「口腔衛生管理体制加算」などがあります。これらは、歯科医院が施設の口腔管理体制づくりに関与するための加算です。
なお、加算は施設側が算定するため、歯科医院の直接収益にはなりません。そのため、「手間が増えるのに売上に結びつかない」と感じ、診療だけの関係にとどまる歯科医院は少なくありません。

加算協力が信頼につながる理由

加算を継続して運用するには、施設側と役割分担や情報共有の方法について、事前にすり合わせる必要があります。この共同作業を通じて双方向の対話が生まれ、施設職員の口腔ケアへの関心と理解が深まっていきます。その結果、施設職員が「最近、食事中にむせることが増えた」などの気付きや変化を歯科医院に共有するようになります。
歯科医院がこうした相談に応え続けることで、施設は歯科医院を「呼んだら来る存在」ではなく、「いつでも相談できるパートナー」だと捉えるようになっていきます。
つまり加算協力は、「ただ対応してあげるもの(手伝い)」ではなく、「施設と一緒に口腔管理の連携体制をつくる取り組み」として捉えることが重要です。

成果につなげるには、単なる協力ではなく「設計」が必要

ただし、加算協力は「やればよい」というものではありません。
施設の体制や担当者の意欲、既存の関係性によって、連携の進めやすさは大きく変わります。
歯科医院の一方的な負担で終わらせず、施設集患の成果につなげるには、少なくとも次のような事前の設計が必要です。

事前に設計すべき4つのポイント
  • 1|施設の見極め
    対象施設のモチベーションや体制を把握する
  • 2|キーパーソンへのアプローチ
    施設の誰に、どのタイミングで提案するかを整理する
  • 3|役割の線引き
    歯科医院としての関与範囲を明確にする
  • 4|院内リソースの配分
    無理なく続けられる運用の仕組みを整える
この設計を誤ると、歯科医院の負担だけが増えて、成果につながらないことがあります。また、場合によっては、施設との関係がかえって複雑になるリスクもあります。

「協力したいが、具体的にどう動けばいいかわからない」と足踏みしてしまう院長先生が多いのは、事前の設計が想像以上に難しいからです。だからこそ、加算協力は善意だけで引き受けるものではなく、施設との信頼関係を深めるための「経営施策」として戦略的に考える必要があります。

まとめ

施設集患が伸び悩む原因は、訪問先が少ないことではなく、既存施設との関係が浅いことにあるケースが少なくありません。新規開拓の前に、まず関わっている施設との関係を見直すことが重要です。
具体的なアプローチとして有効なのは、「加算への協力」という方法です。施設の状況や院内リソースは医院ごとに異なります。まずは自院の施設連携の現状を整理し、課題を明確にすることから始めてください。

第2回では、「どの施設に、どう話を切り出すか」について、実践的なアプローチを取り上げます。

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