Column
コラム
こんにちは。 デンタルサポート歯科事業部の丹澤です。
2025年問題(超高齢社会)を控え、医院経営の取り組みは進んでいますでしょうか?
デンタルサポートでは、例年に比べ多くの歯科医院から「歯科訪問診療について」の問い合わせをいただいており、関心が高まっていることを実感しています。
しかしながら、訪問歯科診療の導入に躊躇される歯科医院が多く、それは情報の少なさやルール(算定条件)の複雑さによるものです。
そこで今回から、「今さら聞けない、歯科訪問診療について」をシリーズでお伝えします。
基本的な内容なので、歯科訪問診療の導入を検討されている先生の参考になれば幸いです。
2025年問題について詳しくはこちら
まだ間に合う!2025年問題に向けた歯科医院経営とは
目次
まず、先生方が気にされることは、「訪問歯科診療は売り上げを確保することができるのか」ではないでしょうか。
ここでは基本となる歯科訪問歯科診療料について説明します。
歯科訪問診療料は、規定条件をすべて満たさねば算定できないため注意が必要です。
次項より、わかりやすく解説します。
在宅等において療養を行っており、疾病、傷病のため通院による歯科治療が困難な患者(同一建物居住者)であり、通院が容易な者に対して安易に算定できない。
歯科訪問診療では、通院困難な理由(訪問理由)が必要です。
診療前に現病歴や既往歴などを確認し、歯科医師が適正に判断してください。
また、初回の歯科訪問診療では、患者様の病状に基づき訪問診療の計画を定めます。
継続的な訪問診療が予定される場合は、次回の診療日までに計画書を作成しましょう。
患者の求めに応じた訪問診療または継続的な歯科診療が必要と認められた患者に対して、その患者の同意を得て、切削器具を常時携行し、その患者の在宅等の屋内で診療を行う。
「その患者の同意を得る」方法として、診療申込書や同意書を歯科医院で用意しておくことをおすすめします。
患者様本人が疾病などによって判断ができない場合は、ご家族の同意が必要です。
「切削器具」とは、ポータブルユニットや携帯用マイクロモーターなどを指し、急性症状の発症時などに即応できる体制の整備が必要とされています。
「在宅等」とは、患家や特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、病院等を指しますが、患者毎に判断が必要となりますのでご注意ください。
歯科訪問診療料を算定する歯科診療所は、前月までに厚生労働大臣が定める歯科訪問診療料の注15(様式 21 の3の2)の基準を満たす旨を地方厚生(支)局長に届け出る。
歯科訪問診療料の注 15 に規定する基準の施設基準に係る届出書添付書類 様式 21 の3の2
出典:関東信越厚生局 特掲診療料の届出一覧(令和6年度診療報酬改定)
訪問先は保険医療機関から半径16km以内の在宅などに限られる。
絶対的な理由がなく、16kmを超えて行った場合は保険給付の対象となりませんのでご注意ください。
在宅等において療養を行なっている患者(同一建物居住者に限る)であって通院が困難なものに対して、当該患者が居住する建物の屋内において、当該保険期間が、歯科訪問診療を同一日に1人のみ、3人以下、4人以上9人以下、10人以上19人以下、20人以上の患者に行った場合に算定する。
この場合において、初診料又は再診料は算定できない。
また、当該患者に対する診療時間が20分未満の場合はそれぞれ287点、217点、96点又は57点を算定する。
ただし、2及び3について、当該患者の容体が急変し、やむを得ず治療を中止した場合は、この限りではない。
歯科訪問診療には、初診及び再初診ではなく、歯科訪問診療料を算定します。
※歯科訪問診療料を算定した場合、初診及び再初診を算定できません。
診療に従事している時間において緊急に歯科訪問診療を行った場合、夜間(深夜を除く。)又は深夜において歯科訪問診療を行った場合は、緊急歯科訪問診療加算、夜間歯科訪問診療加算又は深夜歯科訪問診療加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。
「歯科訪問診療料2、3、4、5」を算定した場合、歯科訪問診療を実施した日の属する月に、歯科訪問診療を行った日時及び訪問診療を行った歯科医師の氏名が記載された文書(診療実績表)を患者若しくはその家族又は介護施設職員等の関係者のいずれかに提供するとともに、提供文書の写しを保険医療機関に保管する。
同一施設へ提供する場合、提供先を明確にしたうえで、施設を単位として一覧表で作成しても差し支えありません。
また、在宅療養患者の場合は提供する必要はありません。
今回は、歯科訪問診療の基本となる歯科訪問診療料についてお伝えしました。
次回(2024年9月4日公開予定)は、訪問歯科衛生士指導料についてお話します。
歯科訪問診療の導入時は、「何から始めれば良いのかわからない」など情報不足による不安を感じている歯科医院が多いです。
ぜひ、院内で共有し、スムーズな歯科訪問診療の導入にお役立てください。
私たちデンタルサポートは、訪問歯科診療を始めて25年、多くの事例から学んだノウハウがあります。
今回のお話は、歯科訪問診療導入時の勉強会でもお伝えしている内容です。
もっと詳しく知りたいなどございましたら、お気軽に無料相談へお申込みください。
訪問歯科診療サポートのパイオニアであるデンタルサポートが発行する、歯科医院経営者のためのメールマガジンです。
訪問歯科診療サポート現場における成功事例や、業界最新情報を配信いたします。ぜひご登録ください。