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訪問歯科診療 公開日:2024/02/21

成功へ導いた訪問歯科診療の立ち上げ実績(地方エリア編)【関係構築と増患】

成功へ導いた訪問歯科診療の立ち上げ実績(地方エリア編)【関係構築と増患】

こんにちは。デンタルサポート訪問サポート担当の野田です。
私は地方エリアでの現場サポートや訪問先営業など、訪問歯科診療のサポート業務全般に携わっています。

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私が担当する地方エリアと人口が多い都市エリアとでは問題が異なることが多々あります。
そこで、地方エリアならではの訪問歯科診療に関するお悩みから問題点を分析し、課題解決のヒントをお伝えします。

このコラムは、当社とある歯科医院が協力し、大小さまざまな課題を乗り越え、軌道に乗るまでのサポート実績をご紹介する内容となっています。
0から立ち上げた実績として、これから訪問歯科診療を始めようと検討している歯科医院の参考になれば幸いです。

第3回となる今回は「拡大していくために必要なアプローチとは」関係性構築と増患について、お伝えしていきます。

成功へ導いた訪問歯科診療の立ち上げ実績(地方エリア編)

成功へ導いた訪問歯科診療の立ち上げ実績(地方エリア編)「訪問歯科診療の導入から訪問歯科診療が軌道に乗るまで」を4回に分けてご紹介しています。

【拡大していくために必要なアプローチとは】関係構築と増患

増患と言えば、新規施設の開拓に目が行きがちですが、医院独自で行うには労力を要し難しいものです。
そこで、まず提案したいのは既存施設の中から潜在している患者様を見出して受診を促す(新規患者にする)方法です。
※ここでいう潜在患者とは「訪問歯科診療を知らない」「歯科に興味がない(必要だと感じていない)」「都合が合わない」などの理由で歯科受診をしていないご利用者様のことを指します。

既存施設で患者様を増やす方法

既存施設での増患にはご利用者様やご家族、施設職員との関係構築が重要です。
訪問歯科診療において関係構築とは「患者様やご家族、施設職員とのつながりを大事にし、信じて頼ってもらうことができる関係をつくる」ことだと考えます。
では、歯科に関わる問題があったときに「相談に乗ってほしい」「診てもらいたい」と身近で頼りになる歯科医院になるにはどのようにすればよいのでしょうか。

「訪問歯科診療」を認知してもらうために

毎週訪問し、ご利用者様とお会いする機会を増やしましょう。
施設での診療は、一室を借りて行うことも多いです
しかし、ご利用者様から見える位置で実施するなどの工夫をすれば、施設で歯科受診できることを知っていただくことができます。

A歯科医院は、共有スペースの一角で実施しています。
診療中はご利用者様に歯科医院が来ている旨の声掛けを行い、口腔内に関して困っていることや歯科に対する思いなどを聞き、相談に乗っています。
その結果、先生やスタッフと顔を合わせる機会も増え、親近感や安心感も生まれたようで「私も診てもらいたい」というご利用者様からの依頼が増えています。

患者様を取りこぼさないために

施設のスケジュールや形態により「医科受診やリハビリなどが訪問歯科診療の実施日時と重なってしまう」「ご利用者様(定期利用)のご利用日に歯科が来ていない」などの理由で、ご利用者が歯科受診を諦めている場合があります。

このような場合は、施設や歯科医院の都合を加味した上で、1週間の訪問回数を増やす、訪問曜日や時間帯を変更するなど検討してみましょう。

地方エリアでは、施設が密集していることも多く、1週間のうちに同じ施設の前を通ることがあります。
A歯科医院では、曜日毎でルート作成していましたが、曜日の縛りを一度取り除き、全曜日でのルートの見直しを行いました。
その結果、患者様や施設の都合に配慮しつつ、効率的に回ることができるようになりました。

このように、患者様や施設の要望に柔軟に対応することで、信頼関係や依頼のしやすい環境が生み出されていきます。

施設が依頼しやすい歯科医院とは

デンタルサポートの施設へのヒアリングでは、「訪問歯科療を受け入れるにあたり誘導などの作業が増えてしまうのが負担」といった意見をいただくことが多くあります。
したがって、施設職員の手間を省くことも「依頼しやすい歯科医院」なるためには重要です。

A歯科医院では、施設と歯科医院をつなぐ役割を当社コーディネーターが担うことで、両者の業務負担軽減と診療体制の効率化を図っています。

コーディネーターの役割

施設職員が受診者を把握できるよう「受診者リスト」を事前に送付します。
当日は誘導を行い、患者様や施設職員へ当日の身体状況や口腔内状況について確認を行ないます。
患者様に最近の出来事や先生には言いづらい悩みなどをお聞きすることで、診療前の緊張をほぐします。
その情報を先生や歯科衛生士へ共有し、スムーズな診療をサポートします。
また、施設からの要望を聞き取り、歯科医院にフィードバックもしています。
このように、当社のコーディネーターは、患者様や施設、歯科医院とのパイプ役となることで負担軽減や信頼関係構築につなげていきます。

患者の転所、職員の転職は拡大のチャンス

患者様が転所することや施設職員が他の施設に転職することはしばしばあります。
その際、お別れのあいさつだけでだけ終わってはいませんか?
対応によって、拡大のビッグチャンスになるのです。
ここでは、都市エリア・地方エリアの特性を交えて、チャンスをつかむ方法をお伝えします。

地方エリアの特性【転所先の選び方】

転所先の選び方も都市エリアと地方エリアでは異なります。

都市エリアでは、入居料や定員などの理由により、郊外や近隣の県に転所せざるを得ないことが多くあります。
その場合は患者様をその地域の歯科医院へ紹介するしか方法はありません。

一方、地方エリアでは、自宅周辺の施設に転所することが多くあります。
その理由の一つに、山や川などで可住地が限定され、人口が集中するエリアが狭いという地形的特徴があります。
そのため、転所先の施設が訪問対象範囲の半径16㎞圏内にあることが多いのが、地方エリアの特性と言えるでしょう。
では、引き続き訪問するにはどのようにアプローチすればいいのでしょうか。

転所後も継続して訪問するには

転所先の施設が訪問対象範囲の半径16㎞圏内の場合は、規定上は継続して訪問することが可能です。
もし、良好な関係が築けていれば、患者様は「施設が変わっても先生に診てもらいたい」と、施設職員は「ご利用者様の情報を共有しよう」と思ってくれることでしょう。
そうなれば、自然と転所先の情報も得ることができますし、継続して訪問することが可能になります。
さらには、その患者様を通じて、新規施設に入り込むチャンスを得ることができるのです。

しかし、対応が遅れてしまうと「転所先の訪問歯科に診てもらうと断られた」「転所先がわかない」などと、せっかくのチャンスを失ってしまいます。

これは職員の転職にも当てはまります。
A歯科医院では、施設職員と良好な関係を築いており「転職した施設でもA歯科医院を利用したい」としばしばご紹介いただいています。

まとめ

今回は「拡大していくために必要なアプローチ」関係性構築と増患について紹介しました。

訪問歯科診療の拡大には患者様への対応や施設職員への気配りが重要となります。
「治療は問題ないが対応に不満がある」「先生には言いづらい」など、など歯科治療とは違う部分で求められていることが多数存在します。

デンタルサポートは、ノウハウ提供から訪問歯科診療業務のお手伝いまで、歯科医院と施設の架け橋となり、両者が「Win-Win」の関係となれるようサポートをいたします。

第4回「歯科医院経営を安定させるために行うべきことは」地方ならではの問題点抽出と提案 の見どころ

地方エリアでは、施設側も歯科医院側も加算に関しての意識がまだまだ低いうえ、加算協力に否定的な歯科医院も多く存在します。
しかし、医療・介護・障害福祉サービスなどの報酬の「トリプル改定」により、施設の介護報酬の加算に対しての歯科医院協力は必須となってきており、施設との関係性構築を更に強固にしていくチャンスとして当社は捉えています。
次回は地方ならではの問題点抽出と提案についてお伝えしていきます。

訪問歯科診療についてお困り事やご相談事があれば、ぜひデンタルサポートにお任せください。

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