Column
コラム
こんにちは。デンタルサポート訪問サポート担当の野田です。
私は地方エリアでの現場サポートや訪問先営業など、訪問歯科診療のサポート業務全般に携わっています。
私が担当する地方エリアと人口が多い都市エリアとでは問題が異なることが多々あります。
そこで、地方エリアならではの訪問歯科診療に関するお悩みから問題点を分析し、課題解決のヒントをお伝えします。
当社がサポートした歯科医院の事例をもとに、成功へ導いた訪問歯科診療の立ち上げ実績(地方エリア編)「訪問歯科診療の導入から訪問歯科診療が軌道に乗るまで」を4回に分けてご紹介します。
とある歯科医院と協力し、大小さまざまな課題を乗り越え、軌道に乗るまでのサポート実績をご紹介する内容となっています。
0から立ち上げた実績として、これから訪問歯科診療を始めようと検討している歯科医院の参考になれば幸いです。
前回のコラムでは「ご依頼から訪問開始までの準備計画」についてお伝えしました。
第2回となる今回は「新規施設での集患や在宅患者の獲得にはどうすればいいのか」新患獲得に向けた取り組みについてお伝えしていきます。
新規患者の獲得には、施設や居宅支援事業所に在籍するケアマネジャーへのこまめな広報活動が必須です。
広報活動は多くの時間を要し、競合調査などが必要な場合もあります。
「医院単独では時間の余裕が無い」「戦略的に集患したい」「施設と契約したい」とご希望の歯科医院は、当社の集患支援をご利用ください。
A歯科医院は当社の集患支援を利用し、施設と契約することができました。
この項では、施設での集患方法についてお伝えします。
新規施設に訪問できることになったとしても、最初から患者様がいらっしゃるわけではありません。
なぜなら、地方エリアでは高齢者の口腔健康管理への関心が低く、歯科受診を望んでいるご利用者や必要性を感じている施設職員が少ないケースがあるからです。
このままでは、訪問できても患者様がいない状況が続いてしまいます。
実際にA歯科医院が契約した施設でも、当初は「今は困っているご利用者様はいない」「痛みが出てから受診を検討する」などの施設職員の声を耳にしました。
ご利用者様にお伺いしても「私は何十年も今の状態だから問題ないし、このままで良い」という歯医者嫌いの方や「歯が一本もなくて総義歯だから大丈夫」「かかりつけ医に頼むから必要ない(実際は一人では行けない)」などとさまざまな理由をつけて断る方が多くいらっしゃいました。
これらの意見から、施設職員やご利用者様が歯科受診を希望しない理由の一つが「歯科診療=虫歯治療だけ」と誤認しているためだとわかります。
では、ご利用者様や施設職員に口腔内の問題に気づいてもらい、受診とへ導くためにはどのようにすればいいのでしょうか。
そこには立ちはだかる壁が2つあります。
【壁1】
「どこにお願いしたらよいのかわからない」などの周知不足。
【壁2】
ご利用者様や施設職員が「痛み以外の口腔内の問題を気にしていない」「治療を行うほどではないと思っている」など、虫歯治療以外の歯科の重要性の認識不足。
ここでは地方エリアでの「施設での集患方法から継続して受診していただくためのフォローまで」を紹介します。
ポスター掲示やパンフレット設置は「どの歯科医院が」「いつ」「どんな診療をしているのか」が誰に対してもわかりやすく、最も簡単な方法です。
まずは訪問歯科診療の存在を周知させることから始めましょう。
A歯科医院は、訪問歯科診療専用のポスターとパンフレットを作成しました。
当社から施設へ施設側のメリットをお伝えし、目に留まりやすい場所に掲示・設置することにご協力いただきました。
この施設では、ポスターはエレベーター内や共有スペースの壁面に掲示、パンフレットは受付に設置させていただきました。
施設側のメリットとして「入居検討時に見学に訪れたご家族に対し歯科医院との連携が伝わりやすい。それが安心感や信頼感となり、入居の促進になる」ことが挙げられます。
歯科医院側のメリットとして「ご家族のすすめで歯科受診へつながる」という流れを構築することができます。
入居後しばらく経ってから、施設内のポスターやパンフレットを見たご家族から連絡をいただくこともあります。
もちろん、施設ご利用者様に知っていただけるということは言うまでもないでしょう。
さらに、デンタルサポートでは「施設内での周知徹底のため」「口腔内の状態を正しく把握していただくため」口腔内健診の実施を提案しています。
【注意事項】
事前に、施設からご家族へ健診実施の旨と健診後に歯科医院から結果報告の電話があることを通知してもらう必要があります。
しかし、施設よっては歯科医院が利用者様へ直接連絡することに抵抗感を持つ場合があります。
その場合は「施設側の負担を減らすことができること」「歯科医師が説明することでご家族に治療の必要性を理解してもらいやすいこと」などのメリットを伝え、協力を仰ぎましょう。
健診を実施するには、施設とのやり取りが必要不可欠です。
その施設と歯科医院の間でさまざまな調整を当社の「コーディネーター」が行います。
コーディネーターが存在することで、歯科医師や歯科衛生士が診療に注力することができます。
健診では外来診療と異なり情報が歯科医院には全く無い状態です。
そこでコーディネーターが施設側へ情報を確認し、受診者リストを作成します。
【健診に必要な情報】
さらに、健診がスムーズに行えるよう診療場所の確保や誘導する順番、動けないご利用者様の居室へ回診する順番などの細かな段取りを施設側と確認します。
コーディネーターがしっかりと段取りを組むことで、当日も施設職員と歯科医師・歯科衛生士が連携でき、訪問時間の短縮にもつながるのです。
ご本人には健診実施後、口腔内の状況をお伝えし、意向を伺っておきましょう。
ご家族や施設職員への報告方法として、デンタルサポートでは「検診結果表」をお渡しすることをおすすめしています。
健診結果表は、ご家族や施設職員に向けて口腔内の状況をわかりやすく説明したものです。
治療の他、口腔健康の重要性を訴えることができ、受診への誘導として有効です。
健診結果表の作成はコーディネーターがサポートします。
結果報告は専門的な内容となるため、施設からではなく歯科医師から行うとより効果的です。
健診結果表を送付後、健診を受けた方全てのご家族(キーパーソン)へ歯科医師が結果を電話で報告します。
今の口腔内の状態やご本人の意向も含め説明を行います。
治療の要望があれば、受診方法(申込書や必要書類の郵送、会計方法の確認など)の説明を行います。
A歯科医院は、その地域で周知されていることもあり、ご存じのご利用者様やご家族がいらっしゃいました。
それが、受診するうえで安心感にもつながったようです。
このように、施設での健診の実施は確認事項も多く細かな作業が発生します。
歯科医院だけでは大変な作業も当社がサポートすることで、健診から患者獲得に結び付けることができます。
居宅患者様の集患も当社がサポートしています。
この項では在宅患者の獲得法についてお伝えします。
在宅患者様への集患の鍵となるのはケアマネジャーです。
訪問歯科診療を実施している歯科医院だと周知してもらえるようパンフレットなどの販促物を活用し、居宅介護支援事業所へ広報活動を行います。
訪問歯科診療の介護報酬の請求には、担当ケアマネジャーへ情報提供が必要となります。
情報提供を行うとともに、定期的なヒヤリングの実施と関係性構築を図っていきます。
A歯科医院では、当社コーディネーターが居宅介護支援事業所をまわり、ケアマネジャーから要望を吸い上げ、A歯科医院にフィードバックを行っています。
密なコミュニケーションにより、ケアマネジャーから「歯科医院との連携が取れているため安心感がある」という喜びの声もいただいております。
その甲斐あって、患者様を紹介していただくことができています。
また、A歯科医院の訪問エリアは山間部も含まれ、山奥の在宅へ訪問することも多々あります。
コーディネーターは歯科医院とルートの調整を行い、効率的かつ安全に訪問できるよう対策を考えています。
今回は新規施設での集患方法と在宅患者の獲得についてお伝えしました。
新規施設での集患や在宅患者の獲得には積極的に声掛けや報告を行い、「この歯科医院にお願いしたい」と思われるような働きかけを行うことが大切です。
たとえば、健診時の確認や連絡のなど手間がかかる業務を施設側に任せてしまう歯科医院もあります。
しかし、それは施設側に負担をかけ、信頼関係を損なう恐れがありますので見直しが必要です。
デンタルサポートはノウハウ提供から訪問歯科診療の業務のお手伝いまで、歯科医院と施設の架け橋となり、両者が「Win-Win」の関係となれるようサポートをいたします。
次回は「拡大していくために必要なアプローチとは」関係性構築と増患についてご紹介します。
地方エリアは人口の多い都市部に比べ、商圏内にある施設の数が少ないのが現状です。
しかし、患者様が施設を移動する際、ご自宅から近い施設を選ぶ傾向があるため、移動先が商圏内というケースが多くあります。
患者様の希望があれば、引き続き訪問歯科診療を実施し、その施設で活動を広げることができる可能性があるのです。
患者様の移動は、拡大するチャンスとして動いていきましょう。
当社を利用しているからこそできる営業活動の内容をお伝えします。
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