Column
コラム
※更新日:2024年10月8日,令和6年度診療報酬・介護報酬改定に伴い、情報を修正しました。
こんにちは。
デンタルサポート歯科事業部の丹澤です。
以前のコラムでは、歯科訪問診療を始める前に必要な施設基準の届出(歯訪診、歯初診、みなし指定)についてお話をさせていただきました。
今回は算定に必要な3つの項目についてお話いたします。
※必要な施設基準の届出についてはこちら
歯科訪問診療の届出は提出しておくべし!施設基準と報酬について
目次
ここでは「切削器具」「訪問手段」「介護報酬の算定」の3つを解説いたします。
これらを事前準備しておくことで、急な訪問依頼にも対応でき、また、算定できないというミスを防ぎ、歯科訪問診療の売り上げを確保することができます。
以前のコラムでもお伝えしましたが、歯訪診(注15)の届出を行うことで、歯科訪問診療料を算定することができるようになります。
ただし、歯科訪問診療を算定には、下記のいずれかに該当し、急性症状の発症時に即応できるよう切削器具を常時携行することが定められています。
不携行の場合、歯科訪問診療料を算定することができませんので、必ず用意してください。
参考:全国保険医団体連合会. “今日からできる 歯科訪問診療の手引き よりよい介護社会のために2018年版」2022年追補版”. 全国保険医団体連合会ホームページ. 2022-05.(参照2023-08-09)
なお、切削器具については、訪問診療用ユニットや携帯用マイクロモーターなどが各メーカーから販売されております。
届出も受理され、切削器具も用意ができたら、どのような移動手段で訪問するのか検討しましょう。
歯科訪問診療は切削器具に加え、その他の器具や材料など思いのほか荷物が多くなります。
さらに、歯科衛生士やコーディネーターを含め複数で訪問する場合もあるでしょう。
したがって、徒歩や自転車、公共機関での移動はかなり大変になります。
定期的な訪問先が確立されており、歯科訪問診療での売上が担保できているのであれば、訪問用の車両を購入することをおすすめします。
しかし、準備段階や不定期の場合は経費が嵩んでしまうため、購入以外の手段を選択するのもいいでしょう。
まずは訪問手段をどうするのかを決定しておきましょう。
下記にそれぞれの訪問手段の特徴を記載しておりますので、ぜひご参考になさってください。
公共機関 | タクシー | |
---|---|---|
コスト | ◎低い | ×高い |
利便性 | ×低い | ◎高い |
安全性 | ◎高い | ◎高い |
特記 | コストは一番低いが、荷物を運ぶ負担が大きい。訪問先が駅・バス停付近でないと対応が難しい。時間の融通が利かない。 | 利便性は一番高いがコストも高い。同日で訪問先が複数ある場合は手間がかかる。時間通りに調達できるとは限らない。 |
カーシェア | レンタカー | 車両購入 | |
---|---|---|---|
コスト | ◎低い | 〇普通 | ×高い |
利便性 | △場所による | △場所による | ◎高い |
安全性 | ○普通 | ○普通 | ○普通 |
特記 | 短時間から利用可能でコストも低い。ただし、医院近隣でサービス展開されていない場合がある。 | コストは普通だが、比較的広範囲でサービスを展開している。 | 利便性が高く、広告塔としても活用できる。初期コストは一番高く、維持費がかかる。 |
訪問手段も決まり、もう準備万端!でも、もう1つだけ気を付けて欲しいポイントがあります。
それが介護報酬の請求です。
歯科訪問診療は、特定の訪問先において医療保険と介護保険で請求できます。
ここでは介護報酬【居宅療養管理指導料】の請求について解説いたします。
※令和6年度診療報酬改定に伴い、算定点数を修正。この情報は、2024年10月8日時点のものです。
居宅療養管理料は、患者が要支援及び要介護の場合、居宅療養管理指導料を介護保険で請求することができます。
歯科訪問診療での売り上げを確保するために介護報酬は必ず請求しましょう。
しかし、下記の理由で歯科医院が介護報酬を請求していないことが多いようです。
介護報酬の請求ができるよう準備が必要です。
医療保険と介護保険のレセプトを同時作成できるレセコン(レセプトコンピューター)も販売されており、業務の効率化や算定漏れを防ぐことができ有用です。
まずは現在、使用しているレセコンが介護算定をできるかを確認しましょう。
今回は歯科訪問診療を始める前に必要な項目3つについてお話いたしました。
新型コロナウィルスも5類感染症に移行され、歯科訪問診療の需要も高まりつつあります。
それに従い、当社へ多くの歯科医院から訪問歯科の導入についてお問い合わせをいただいております。
国は医療費の抑制のため在宅医療を推進しており、前回の診療報酬改定でも施設の点数が下がり、居宅の点数があがっています。
2024年の診療報酬と介護報酬の同時改定では在宅医療が一層重視されるでしょう。
さらに、日本歯科医師会では、2040年までに歯科訪問診療を実施する歯科診療所を全体で40%まで引き上げるとの方針も打ち出しています。(平成29年時点では21.8%)
参考: 日本歯科医師会. “2040年を見据えた歯科ビジョン – 令和における歯科医療の姿 -」”. 日本歯科医師会ホームページ. 2020-10.(参照2023-08-09)
このように、歯科業界はますます競争が激化することが予測されます。
医院の患者様を守るため、地域高齢者の健康寿命を延ばすため、早めの歯科訪問診療の導入をご検討いただけますと幸いです。
デンタルサポートでは、訪問歯科知識0から始める訪問歯科診療のサポートも行っておりますのでお気軽にご相談ください。
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