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訪問歯科診療 公開日:2026/08/26

開業1年目で訪問歯科を軌道に乗せるコツ|4施設と連携した立ち上げ事例【前編】

開業1年目で訪問歯科を軌道に乗せるコツ|4施設と連携した立ち上げ事例【前編】

こんにちは。デンタルサポート歯科事業部の萩原です。
訪問歯科診療サポート歴20年。現場サポート、介護施設などへの営業経験を活かし、「訪問歯科を”地域に必要とされる診療”として根付かせる」ことを目標に支援を提供しています。

紹介写真
この記事を読めばわかること
  • 施設訪問の「利益率の高さ」と引き換えに発生する、4つの見えにくい壁
  • 開業1年目で4施設と連携できた歯科医院が、最初にぶつかった壁と突破口
  • 施設訪問を「始めたいけど踏み出せない」と感じる理由の正体と、その解消のヒント

訪問歯科診療への関心が、歯科医院の間で高まっています。
「興味はあるが、何から始めればいいかわからない」「施設を獲得したくて挨拶に行ったものの、どう関係を築けばいいかわからない」。こうした悩みを抱え、一歩を踏み出せない方も少なくないのではないでしょうか。

本シリーズでは、特に収益性の面で多くの歯科医院が注目する「施設訪問」の成功事例として、かわしま歯科・予防クリニックの川島頌久先生の事例を紹介します。
川島先生は開業と同時に訪問歯科診療を開始し、わずか1年で4つの施設と連携し、総売上の約3割を訪問歯科診療が占めるまでに成長させています。

※2026年6月30日に、WHITECROSS株式会社で行われたウェビナーでの川島先生のご講演内容をもとに、当社が第三者の立場から事例として再構成したものです。

訪問歯科診療の収益性と参入前に知るべき「見えにくい壁」

川島頌久先生は、勤務医時代にも訪問歯科診療を約2年半経験されています。それでも、経営者として訪問歯科診療を始めると、以前とは異なる壁に直面したそうです。

講演では、訪問歯科診療は時間あたりの診療点数が外来より高く、人件費や機材などのコストも抑えやすいことから、効率的に実施できれば高い利益率が見込めると説明されました。
しかし、効率的に行うには、見えにくい壁があり、経営者として訪問歯科診療を始めた当初、次の4つの壁に直面したと振り返ります。
ここからは、川島先生がそれぞれの壁にどう向き合い、乗り越えていったのかを見ていきます。

【1】モチベーションの壁:なぜ訪問歯科をやるのか「目的の言語化とスタッフ共有」

訪問歯科診療は、外来診療よりも多くの仕事が求められます。
そのような状況でも頑張り続けるためには、「なぜやるのか」というモチベーションを自分の中に持つことが重要だと川島先生は述べています。
川島先生がモチベーションとしたのは、現場への危機感です。
「口腔ケア」と言っても、実際には歯みがきだけで終わることがあり、その結果う蝕の管理がされずに歯が折れ、誤飲や窒息につながるケースもあります。だからこそ、口腔機能管理や摂食嚥下の対応に進む前に、う蝕・歯周病・肺炎といった基本的な病気の予防を診療の軸に据えたと話しています。
さらに、このモチベーションは、歯科医院のスタッフ全員でしっかりと共有されています。

チェックポイント
  • 「なぜ訪問歯科診療を行うのか」を自分自身の言葉で説明できますか。
  • そのモチベーションは、スタッフ全員にしっかりと共有されていますか。

【2】立場の壁:介護施設との信頼関係を築く「訪問側のマナーと配慮」

訪問歯科診療では「医院側が主役ではなく、施設に入らせていただく立場」と川島先生は述べています。
院内業務メモ(付箋)の貼りっぱなしが、施設職員に「この医院は配慮がない」という印象を与えかねないという例が紹介されました。

チェックポイント
  • 施設で「自院の言動がどう見えているか」を、歯科医院全体で確認する機会はありますか。

【3】コミュニケーションの壁:介護施設へのアプローチ手法

川島先生は契約に至った4施設に対するアプローチのコツとして、「しつこいと思われないタイミングと伝え方が重要」と指摘します。
ザイオンス効果(接触回数が増えるほど好感度が高まる心理効果)で知られるように、接触回数そのものにも意味があります。加えて川島先生が重視したのは、施設側が「相談できる」ように、手間や不安を取り除くことでした。その積み重ねが、信頼構築につながったのだと考えられます。

チェックポイント
  • 施設へのアプローチは、「相談のしやすさ」まで含めて、戦略的に考えられていますか。

【4】サポートの壁:サポートの壁:事務処理や仕組みづくりで負担を抑える体制

訪問歯科診療は、施設対応やご家族対応、書類作成、請求業務などが絡むため、外来よりタスクが増えます。
川島先生も、訪問先が3件に増えた時期に、診療と事務処理の両方を抱え込み、オーバーワークの状態に陥った経験があります。
こうした負担に対し、川島先生は開業当初より当社の伴走支援を導入し、書類対応や患者様・関係者対応、施設へのアプローチ方法などを一緒に整理しながら、少しずつ仕組みづくりを進めてきました。
加えて、ご自身の取り組みとして、事務処理の負担が大きくなった際には、訪問事務の担当者を雇用し、診療業務に専念できる体制へと移行しています。

チェックポイント
  • 診療・事務・施設対応において、状況の変化に臨機応変に対応できる体制が整っていますか。

まとめ

川島先生自身の言葉を借りれば、「訪問歯科診療とは、施設に対して誠実であることがすべて」です。高い利益率は、その誠実さの先に得られる結果にすぎない、ということでしょう。川島先生の実績は、まさにこの4つの壁にひとつずつ向き合った結果といえます。

では、この「誠実さ」を仕組みとして自院に落とし込むには、何から着手すればいいのでしょうか。川島先生のケースはひとつの例であり、貴院にそのまま当てはまるとは限りません。
自院のモチベーションの言語化や施設との接点の作り方、事務体制の整え方など、検討すべき点はいくつもあります。具体的な戦略にご興味がある方は、当社の無料相談をご活用ください。貴院の地域特性や現在のスタッフ体制に合わせて、最適な進め方をご提案します。

【次回予告】
次回は【4】サポートについて、他の医院の事例も交えながら、立ち上げから安定するまで、どのような外部支援が力になるのかを詳しく掘り下げます。訪問歯科診療の立ち上げを検討されている方は、ぜひあわせてご覧ください。

なお、本コラムで取り上げた講演は、歯科医療従事者向け会員制の情報・教育プラットフォーム「WHITECROSS」にて、2026年8月31日までアーカイブ視聴(無料)が可能です。

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施設連携に向けた「準備〜アプローチの進め方」を確認したい場合は、当社の手順解説コラムもあわせてご参照ください。

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