Column
コラム
こんにちは。
デンタルサポート マーケターの柴田です。
歯科に関する情報やトレンドをお届けしたいと思います。
今回は、6月7日に閣議決定し「骨太の方針2022」に盛り込まれた「国民皆歯科健診」について取り上げます。
「高校まで義務付けている歯科健診を、年一回は全国民が受診することで疾病の予防と国民の健康寿命の延伸につなげ、結果として国民医療費を適正化し、国民皆保険制度の維持を図る」ことを目的としたものです。
2021年6月、自民党内に議員グループ「国民皆歯科健診実現議連」が発足しました。その提案に基づき、同年10月の衆議院議員総選挙において自民党は選挙公約として「国民皆歯科健診の実現」を掲げました。
自民党の公約に明示されている「国民皆歯科健診」についてはこちら
「骨太の方針」とは自民党政権下で2001年以降、毎年発表されている経済財政運営の指針のことです。国の政策の基本的な方向性を示し、この内容に基づいて年末の予算編成を行います。
「骨太の方針」にて検討・閣議決定された内容は、国家戦略として取り組む重要案件となり、国民生活や企業活動に大きな影響を与えることになります。
そして今年、「骨太の方針2022」の原案に「国民皆歯科健診の具体的な検討」が明記され、6月7日に閣議決定されました。
歯科に関するいくつかの項目が盛り込まれています。
具体的には下記のとおりです。
参照:内閣府 経済財政運営と改革の基本方針2022についてより抜粋
歯科医院のインフラ整備に関連するものとしては、オンライン資格確認導入の原則義務化や保険者による保険証発行の選択制の導入なども含まれています。
大枠の方向性が示されたものの具体的な施策については明示されておらず、実施時期も含めて検討段階です。
全国民に歯科健診を義務付ける「国民皆歯科健診」の検討が政府の経済財政運営の指針「骨太方針」に盛り込まれたのを受け、日本歯科医師会の堀憲郎会長は翌日の6月8日に臨時記者会見を開きました。
冒頭に「骨太の方針2022はこれまで提言してきた内容のほぼすべてが反映され、歯科界が目指す『歯科医療と口腔健康管理の充実により、国民の健康寿命の延伸をはかり、働き手や支え手を増やすことで人口減少問題にも貢献する』という方向性を、国が共有していることを高く評価する」と述べられました。
続く質疑応答で「実現の見通し」については「どのような形が最適かを検討していく段階」「相当な時間がかかる」とし、「人員や実施費用の確保の課題」については「ICT活用や企業健診の仕組みと絡めて検討していく」としています。
参照:日本歯科医師会 「経済財政運営と改革の基本方針2022」への日本歯科医師会の見解より抜粋
日本歯科医師会をはじめ、歯科関連業界団体ならびに適宜民間企業とも連携をはかり実現に向けた動きが今後活発になると思われます。
検討段階とはいえ方向性は示されていますので、そこに向けて早期に準備をしておくことが、強い歯科医院づくりに不可欠です。
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