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訪問歯科診療 公開日:2025/04/09

その不安は解消できる!訪問歯科診療のはじめ方【そもそも、何から始めたらいいのかわからない】その1 地域の需要予測について

その不安は解消できる!訪問歯科診療のはじめ方【そもそも、何から始めたらいいのかわからない】その1 地域の需要予測について

こんにちは。デンタルサポート訪問サポート担当の野田です。
私は地方エリアでの現場サポートや訪問先営業など、訪問歯科診療の支援業務全般に携わっています。
訪問歯科診療に関するお悩みから問題点を分析し、課題解決のヒントをお伝えします。

筆者画像

当社の訪問歯科診療に対する意識調査の結果(※1)によると、約8割の歯科医師が訪問歯科診療の将来性を認識していることがわかりました。
しかし、訪問診療の実績のある歯科医院は、全国で約2割(※2)となっています。
では、訪問歯科診療を導入するうえで大きな障壁となるものとは一体なんなのでしょうか。
今回は訪問歯科診療の導入を阻む課題を深堀し、その解決策をシリーズで解説します。

※1「訪問歯科診療に関する意識調査」レポートの無料ダウンロードはこちら
※2 歯科訪問診療料の算定があった医療機関は15,160施設であり、初診料等の算定がある医療機関約62,000施設の約24%。
出典:中医協 総-3 5. 10.27.在宅(その4).歯科訪問診療の実施状況.PDF(参照2024-11-25)

訪問歯科診療の導入を阻む5つの課題

以下は私が相談を受けた歯科医院から寄せられた「訪問歯科科診療に対する不安や課題」を大きく5つにまとめたものです。

【訪問歯科診療導入時における不安と課題】

ここでは、訪問歯科診療の「地域の需要」や「導入準備の内容と期間」の不安について、課題と解決策を解説します。

訪問歯科診療をはじめる際の判断基準や導入の効率化とは?

訪問歯科診療の導入を検討する際、「地域に本当に需要があるのか」「準備にどれだけの時間がかかるのか」といった不安を抱える先生も多いのではないでしょうか。
先のコラムでお話ししてきた通り、訪問歯科診療の導入は、人員確保や機材選定など、準備に想定以上の時間と労力を費やすことも少なくありません。
結果として、「集患できない」「診療開始が遅れる」「計画が頓挫する」など大きな問題が発生することもあります。
そこでこのコラムでは、訪問歯科診療の「需要予測」と「効率的な準備」に焦点を当て、スムーズな診療開始を実現する方法を2回に分けて解説します。
初回となる今回は、訪問歯科診療を成功させるために欠かせない「需要予測」についてです。

不安「地域での需要は本当にあるの?」

「なんとなく、高齢者が多いから訪問診療を始めよう」と考えていませんか?
訪問歯科診療の需要を判断するには、単に「高齢者が多い地域」という認識では不十分です。
重要なのは、具体的なデータに基づいた分析です。

歯科診療所の年齢階級別推計患者割合

現在、先生の歯科医院の65歳以上の高齢者比率(外来)はどれくらいでしょうか。
まず、自院の患者データを確認し、訪問診療を必要とする可能性のある高齢者数を把握しましょう。

厚生労働省の患者調査によると、歯科診療所の年齢階級別推計患者割合(令和5年度)において、65歳以上46.1%にも及んでいます。

出典:厚生労働省医局保健課.令和6年12月25日第10回歯科医療提供体制等に関する検討会 資料1.P9(参照2025-03-26)

ここをチェック!!
1. 定期的に外来診療をしている65歳以上の患者数
2. 来院しなくなった65歳以上の患者数

歯科医院がある地域の高齢者の割合

内閣府によると、令和5年現在、日本の総人口は1億2,435万人で、そのうち65歳以上が3,623万人(29.1%)を占めています。
高齢者の割合は増加し続け、令和25年に3,953万人でピークを迎える見込みです。
総人口が減少する中で高齢比率は上昇し、令和19年には33.3%、国民の3人に1人が65歳以上になると予測されています。
このような超高齢社会では、訪問歯科診療への需要が高まっており、歯科医院が所在する地域の高齢者数を正確に把握することが重要です。

※出典:内閣府.令和6年版高齢社会白書.全体版(参照2025-03-31)

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地域の高齢者人口

訪問可能エリアに介護施設や居宅介護支援事業所がどのくらいあるのか?

厚生労働省の介護サービス施設・事業所調査(令和4年10月1日時点)によると、各施設数は以下の通りです。

出典:厚生労働省.介護サービス施設・事業所調査の概況(参照2025-03-31)

  • 介護老人保健施設  8,494件
  • 介護老人保健施設   4,273件
  • 介護医療院      730件
  • 介護療養型医療施設   300件
  • 居宅介護支援事業所 38,538件

そのほか、居宅系施設と呼ばれる「有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」などが訪問歯科診療の訪問先になります。

訪問歯科診療を行う際、半径16km以内のエリアが保険適用範囲です。
このエリア内の介護施設や居宅介護支援事業所の数を把握することで、より的確な需要予測が可能になります。

ここをチェック!!
歯科医院の訪問可能エリア(半径16㎞圏内)にある対象施設の数

訪問歯科診療を始めるきっかけ

患者や家族からの要望

訪問歯科診療を始めるきっかけとして最も多いのは、通院していた患者様からの要望です。
特に、高齢者の比率が高い歯科医院では、患者様が年齢を重ねて来院が困難になるケースが増えているため、訪問歯科診療の需要は今後さらに高まると予想されます。
したがって、「訪問歯科診療を始めました」と告知することで、無理に通院していた患者様からの依頼が増える可能性もあります。

介護施設や介護支援専門員からの紹介

デンタルサポートの市場調査によると、訪問歯科診療は介護施設(居宅系含む)の97%で利用されており、高いニーズがあることが示されています。
しかし、多くの歯科医院が参入すれば、競争は避けられません。
そこで重要になるのが、「周辺エリアでの訪問歯科診療の状況を把握すること」と「ニーズに合ったサービスを提供すること」です。
的確な戦略を立てることにより、これから始める歯科医院でも、十分に患者を獲得できるようになります。

ここをチェック!!
【訪問歯科診療の需要状況】
 訪問歯科診療を実施している歯科医院が多く競争が激しい など

【施設のニーズ】
 訪問スケジュールを柔軟に対応してくれる歯科医院を求めている など

まとめ

訪問歯科診療を成功させるには、ゴール設定が欠かせません。
ゴール設定には、地域の高齢者人口の推移、競合医療機関の状況、介護施設の分布など、多角的な分析が重要となります。
しかし、これらの情報を独自に収集・分析するには、多くの時間と労力が伴います。
そこで、当社のコンサルティングサービスをご活用ください。
当社は訪問歯科診療に特化しており、豊富な経験とノウハウを駆使し、貴院の訪問診療における潜在的なニーズを明確化。先生方が抱える不安を解消し、具体的な目標設定をサポートします。
訪問歯科診療の導入をご検討中の方は、ぜひお気軽に当社までご相談ください。


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