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訪問歯科診療 公開日:2025/03/12

その不安は解消できる!訪問歯科診療のはじめ方【初期費用負担に関する不安編】必要機材と費用を抑えるポイント

その不安は解消できる!訪問歯科診療のはじめ方【初期費用負担に関する不安編】必要機材と費用を抑えるポイント

こんにちは。デンタルサポート訪問サポート担当の野田です。
私は地方エリアでの現場サポートや訪問先営業など、訪問歯科診療の支援業務全般に携わっています。
訪問歯科診療に関するお悩みから問題点を分析し、課題解決のヒントをお伝えします。

筆者画像

当社の訪問歯科診療に対する意識調査の結果(※1)によると、約8割の歯科医師が訪問歯科診療の将来性を認識していることがわかりました。
しかし、訪問診療の実績のある歯科医院は、全国で約2割(※2)となっています。
では、訪問歯科診療を導入するうえで大きな障壁となるものとは一体なんなのでしょうか。
今回は訪問歯科診療の導入を阻む課題を深堀し、その解決策をシリーズで解説します。

※1「訪問歯科診療に関する意識調査」レポートの無料ダウンロードはこちら
※2 歯科訪問診療料の算定があった医療機関は15,160施設であり、初診料等の算定がある医療機関約62,000施設の約24%。
出典:中医協 総-3 5. 10.27.在宅(その4).歯科訪問診療の実施状況.PDF(参照2024-11-25)

訪問歯科診療の導入を阻む5つの課題

以下は私が相談を受けた歯科医院から寄せられた「訪問歯科科診療に対する不安や課題」を大きく5つにまとめたものです。

【訪問歯科診療を導入時の不安と課題】

ここでは、訪問歯科診療をはじめる際の初期費用負担に関する不安について、課題と解決策を解説します。

訪問歯科診療の初期費用負担に関する不安の解決策とは?

訪問歯科診療の導入を検討する際、「どのような機材を用意しなくてはいけないのかわからない」「初期費用がいくらかかるか不安だ」という先生も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、先生方が抱える初期費用に関する不安を具体的に取り上げながら、その解決策を提示していきます。

不安1「必要な機材がわからない」

外来診療とは異なる環境で診療を行う訪問歯科診療では、専用の器材や設備が必要になるケースがあります。
しかし、最初から完璧に揃える必要はありません。
診療規模や内容、そして予算によって必要な機材は、異なります。
まずは、段階的に準備することで、費用を抑えながら拡充していくことができます。

訪問歯科診療の第一歩!必要最低限のアイテム

以下は訪問歯科診療を開始する際に必要な基本的アイテムですが、新たに調達が必要なものは意外と少ないことがわかります。
外来にあるもので代用できるものは効果的に活用しましょう。

□携帯用エンジン:切削器具は、訪問歯科診療の算定に必要となります。
□診療器具:ミラー・ピンセット・探針・エキスカなど、外来で使用しているものを代用できます。
□歯科材料:薬・印象材など、外来で使用しているものを代用できます。
□口腔ケア用品:歯ブラシ、口腔用ジェル、義歯洗浄剤なども外来のものを使用できます。
□照明器具:口腔内を明るく照らす、ヘッドライトやペンライトがあると便利です。
□消毒・滅菌用品グローブ、マスク、エプロン、消毒用アルコール、滅菌バッグなど、適切な衛生管理を行うために必須です。外来で使用しているものを代用できます。
□記録用具・事務用品:問診票、歯式チェック用紙、ペン、電卓、会計グッズなど。
□携帯バッグ:上記を収納できる持ち運びやすいバッグ。後述の携帯BOXの方が利便性に優れています。

②患者数増加に伴い検討!訪問診療を効率化するアイテム

作業をスムーズにするための便利なアイテムを取り入れて、診療をより効率化しましょう。

□ポータブルユニット:エンジン、バキューム、ライトが一体型になったものです。作業効率や可搬性を向上させます。
□歯科用ポータブルレントゲン:訪問歯科診療では高齢者が多く、歯の状態を確認し身体への負担を考えた治療方針決定のために、レントゲンが必要となる場合があります。患者様の状態にもよりますが、需要が増えてきてからでも問題ありません。
□超音波スケーラー:歯石除去や歯周病治療に効果的です。
□携帯BOX:診療に必要な基本BOXの他に歯科治療の項目毎にBOXを分けておくと、効率的に診療を進めることができ、忘れ物防止にも役立ちます。持ち運ぶ荷物が多いので、片手でも持ち運びができる取っ手付き工具箱をおすすめしています。

  • 基本BOX:歯ブラシやグローブなど診療に必要なもの
  • 歯科項目毎BOX
    •  ・義歯項目用
    •  ・一般項目用
    •  ・印象項目用
    •  ・器具用
    •  ・技工用
    •  ・薬品用

□訪問車両:半径16Km圏内で各施設へ訪問する場合の移動手段として、必要となります。
□台車:基本BOXなどを1度で施設の中へ運ぶために使用します。持ち運びができる範囲の荷物であれば必要ありません。

③必要に応じて導入!差別化と高度診療のためのアイテム

訪問歯科診療のニーズが高まる中、他の歯科医院と差別化を図ることも重要です。

□口腔内カメラ:患者様やご家族に口腔内の状態を視覚的に説明する際に役立ちます。
□嚥下内視鏡検査機材:誤嚥リスクを評価し、嚥下障害の診断と治療プランの策定が可能です。
□歯科用ポータブルCT:訪問先で精密な診査・診断が可能となり、症状に応じた適切な治療計画が立てられます。

不安2「機材を揃えるとなると、費用がいくらかかるか不安…」

ここでは初期費用を抑えるポイントをお伝えします。

①段階的に機材を購入する

前項のように段階的に機材を導入することで、初期費用を抑えることができます。

②リース・レンタルの活用

高額な医療機器はリースやレンタルができる場合があります。
また、訪問車に関してはレンタカーやカーシェアの活用で初期費用を削減することができます。近隣のみの在宅訪問であれば、自転車やバイクで訪問する歯科医院もあります。

③助成金・補助金制度の活用

各自治体や歯科医師会などが提供する制度を利用しましょう。
例)在宅歯科診療設備整備事業費補助金(千葉県)(参照2025-03-03)

まとめ

訪問歯科診療の導入を検討する際、初期費用や機材選定など、さまざまな不安や課題に直面します。

デンタルサポートでは、機材選定から、費用対効果の高い効率化アイテム、さらにリース・レンタル、助成金・補助金制度活用アドバイスを通じて、初期費用を抑えながら質の高い訪問歯科診療体制構築を支援します。
また、独自の市場調査に基づき、地域の訪問歯科利用状況や競合歯科状況、加算協力状況などを分析。先生と地域ニーズに合わせた効果的な営業戦略策定をサポートします。
まずはお気軽にご相談ください。

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