Column
コラム
こんにちは。デンタルサポート歯科事業部の丹澤です。
今さら聞けない!歯科訪問診療、今回は第5回目として「小児口腔機能管理料の注3に規定する口腔管理体制強化加算(口管強)」についてお話します。
シリーズ「今更 聞けない!歯科訪問診療とは?」
目次
令和6年度診療報酬改定にて、継続的・定期的な歯科疾患(う蝕、歯周病等)の重症化予防や口腔機能管理に関する実績を満たす診療所を評価するとして見直されました。
先生方には、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)の方が馴染みあるかもしれません。
簡単に言うと、「か強診」の内容をベースに追加・変更したものが「口腔管理体制強化加算」になります。
ここでは、口管強にて新しく追加または、変更された部分を説明します。
※か強診に追加または変更された部分を赤字で加工しています。
原文 | 追加・変更 |
---|---|
(1)歯科医師が複数名配置されていること又は歯科医師及び歯科衛生士がそれぞれ1名以上配置されていること。 | |
(2)次のいずれにも該当すること。 ア 過去1年間に歯周病安定期治療又は歯周病重症化予防治療をあわせて30回以上算定していること。 イ 過去1年間にエナメル質初期う蝕管理料又は根面う蝕管理料をあわせて12回以上算定していること。 ウ 歯科点数表の初診料の注1に規定する施設基準を届け出ていること。 エ 歯科訪問診療料の注15に規定する届出を行っていること。 |
【変更】 (2)クラウン・ブリッジ維持管理料の届出が外され、エの歯科訪問診療料の注15に規定する届出(歯訪診)が追加されており、在宅医療を専門とする歯科医療機関は対象外です。 |
(3)過去1年間に歯科疾患管理料(口腔機能発達不全症又は口腔機能低下症の管理を行う場合に限る。)、歯科衛生実地指料口腔機能指導加算、小児口腔機能管理料、口腔機能管理料又は歯科口腔リハビリテーション料3をあわせて12回以上算定していること。 | 【追加】 過去1年間の口腔機能の維持・向上に関する評価の算定実績が追加されています。 届出時はご注意ください。 |
(4)以下のいずれかに該当すること。 ア 過去1年間の歯科訪問診療1、歯科訪問診療2又は歯科訪問診療3の算定回数があわせて5回以上であること。 イ 連携する在宅療養支援歯科診療所1、在宅療養支援歯科診療所2若しくは在宅療養支援歯科病院に依頼した歯科訪問診療の回数があわせて5回以上であること。 ウ 連携する歯科訪問診療を行う別の医療機関や地域の在宅医療の相談窓口とあらかじめ協議し、歯科訪問診療に係る十分な体制が確保されていること。 |
【変更】 ウの連携体制確保が追加され、連携する歯科訪問診療を行う別の医療機関や地域の在宅医療の相談窓口の名称を記載する必要があります。 【追加】 ア 歯科訪問診療3、イ 在宅療養支援歯科病院が追加されています。 |
(5)過去1年間の診療情報提供料又は診療情報等連携共有料があわせて5回以上算定している実績があること。 | |
(6)当該医療機関に、歯科疾患の重症化予防に資する継続管理(エナメル質初期う蝕管理、根面う蝕管理及び口腔機能の管理を含むものであること。)、高齢者並びに小児の心身の特性及び緊急時対応に関する適切な研修を修了した歯科医師が1名以上在籍していること。 | 【変更】 (6)高齢者、緊急時対応だけではなく、小児の心身の特性等に関する研修が必要です。 また、既に受講した研修が要件の一部を満たしている場合は、不足を補足する研修を受講すれば問題ありません。 |
(7)診療における偶発症等緊急時に円滑な対応ができるよう、別の保険医療機関との事前の連携体制が確保されていること。ただし、医科歯科併設の診療所にあっては、当該保険医療機関の医科診療科との連携体制が確保されている場合は、この限りではない。 | |
(8)当該診療所において歯科訪問診療を行う患者に対し、迅速に歯科訪問診療が可能な歯科医師をあらかじめ指定するとともに、当該担当医名、診療可能日、緊急時の注意事項等について、事前に患者又は家族に対して説明の上、文書により提供していること。 | |
(9)(6)に掲げる歯科医師が、以下の項目のうち、3つ以上に該当すること。 ア 過去1年間に、居宅療養管理指導を提供した実績があること。 イ 地域ケア会議に年1回以上出席していること。 ウ 介護認定審査会の委員の経験を有すること。 エ 年1回以上、在宅医療に関するサービス担当者会議や病院・診療所・介護保険施設等が開催する多職種連携に係る会議等に年1回以上出席していること。 オ 過去1年間に、在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料を算定した実績があること。 カ 在宅医療又は介護に関する研修を受講していること。 キ 過去1年間に、退院時共同指導料1、在宅歯科医療連携加算1、在宅歯科医療連携加算2、在宅歯科医療情報連携加算、小児在宅歯科医療連携加算1、小児在宅歯科医療連携加算2、退院前在宅療養指導管理料、在宅患者連携指導料又は在宅患者緊急時等カンファレンス料を算定した実績があること。 ク 認知症対応力向上研修等、認知症に関する研修を受講していること。 ケ 過去1年間に福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設、介護老人福祉施設又は介護老人保健施設における定期的な歯科健診に協力していること。 コ 自治体が実施する事業(ケに該当するものを除く。)に協力していること。 サ 学校歯科医等に就任していること。 シ 過去1年間に、歯科診療特別対応加算1、歯科診療特別対応加算2又は歯科診療特別対応加算3を算定した実績があること。 |
【追加】 エ 診療所が追加されています。 キ・シ 各加算が追加されています。 【変更】 オ 在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料へ変更されています。 |
(10)歯科用吸引装置により、歯科ユニット毎に歯の切削や義歯の調整、歯冠補綴物の調整時等に飛散する細やかな物質を吸引できる環境を確保していること。 | |
(11)患者にとって安心で安全な歯科医療環境の提供を行うにつき次の十分な装置・器具等を有していること。 ア 自動体外式除細動器(AED) イ 経皮的動脈血酸素飽和度測定器(パルスオキシメーター) ウ 酸素供給装置 エ 血圧計 オ 救急蘇生セット カ 歯科用吸引装置 なお、自動体外式除細動器(AED)については保有していることがわかる院内掲示を行っていることが望ましい。 |
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[経過措置] 令和6年3月31日において現にかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所に係る届出を行っている保険医療機関については、令和7年5月31日までの間に限り、該当するものとみなす。 |
参考:厚生労働省.令和6年度診療報酬改定の概要【歯科】.厚生労働省保険局医療課.令和6年3月5日版(PDF)(参照2024-11-11)
今回の改定では「患者様のライフコースに通じて、継続的・定期的な歯科疾患(う蝕、歯周病等)の重症化予防や口腔機能の問題に対応することにより生涯を通じた口腔の健康の維持に寄与する」ことを目的としています。
かかりつけ医として、乳幼児期から高齢期までの全ての患者様の口腔の健康維持はもちろんのこと、地域医療・介護事業者との連携を図ることが重要です。
歯科訪問診療もかかりつけ医とて貢献できる一つの方法です。
この機会にぜひ、訪問歯科診療の導入をご検討ください。
次回は、「介護報酬(居宅療養管理指導)」(2025年1月29日公開予定)についてお話します。
最後に、かかりつけ医の役割(イメージ)を添付いたしますのでご参照ください。
引用:厚生労働省.令和6年度診療報酬改定の概要 【歯科】.令和6年3月5日版(PDF)(参照2024-11-11)
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