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訪問歯科診療 公開日:2024/03/27

診療報酬改定から考える今後の訪問歯科診療

診療報酬改定から考える今後の訪問歯科診療

こんにちは。デンタルサポ-ト歯科事業部の髙尾です。

前回の私のコラム「歯科訪問診療料改定から考える」今後の経営戦略を公開したところ、予想以上の反響がありました。
先生方からたくさんのご相談をいただき、改定後の訪問歯科診療に対する不安をうかがい知ることができました。

そこで、今回は「診療報酬改定から考える今後の訪問歯科診療」についてお伝えします。
このコラムが、先生方の不安解消につながることができれば幸いです。

今後の訪問歯科診療 重要なポイント3つ

今後の訪問歯科診療を考えるのに重要なポイントは以下の3つです。

  1. 在宅患者中心に訪問診療料時間枠が撤廃
  2. 施設での訪問歯科診療の在り方が変わる
  3. 多職種連携の強化

次項より詳しく説明します。

在宅患者中心に訪問診療料時間枠が撤廃

今後の訪問歯科診療を考えると在宅患者への訪問を強化すべきです。
国の方針は在宅医療を推進しています。
今回の改定で高齢者の歯科専門職による口腔管理が在宅で十分に行われていない現状を改善したい考えです。

【注目!】
歯科訪問診療料の時間枠の撤廃

在宅患者様が主な対象となる歯科訪問診療料1については、20分以上か未満かという時間枠が撤廃されました。

<今まで>
訪問歯科診療の実施日を別に設けていない歯科医院では、「外来のアポを削る」「お昼休みに行う」「移動時間分のスタッフ人件費を払う」など、患者様のために時間や費用を捻出して訪問歯科診療を実施しているところも多かったと思います。
そのため、20分未満の治療となると「売上が思ったより少なく、労力と見合わない」とお悩みの先生方がたくさんいらっしゃいました。

<改定後>
時間枠が撤廃されたため、在宅患者様へ訪問を積極的に行なえば売上を確保できるようになります。

後述しますが、地域医療連携という点から見ても今後の在宅医療は全ての医療機関にとって必要になります。
したがって、地域医療を担う歯科医院としての役割はさらに大きくなっていくでしょう。

施設での訪問歯科診療の在り方が変わる

「高齢者施設や病院などへの訪問歯科診療を継続すべきか、否か」は非常に意見が分かれるのではないでしょうか。

【注目!】
歯科訪問診療の人数区分が細分化。多人数になるほど1人あたりの診療料は低くなる

私は今回の改定で訪問歯科診療を縮小するという歯科医院が出てきてもおかしくないと考えています。
理由として、今まで専門チームを作り、さまざまなことに取り組んでいた歯科医院でも大幅な減算になりかねないからです。
なぜなら、施設の都合は考慮されていないため、歯科医院都合の対策を講じることが非常に難しい場合があるからです。

<今まで>
施設のスケジュールの都合で、診療希望者が多くても、同日内に一斉に行ってほしいと依頼されることがあります。
これまでは、施設の都合に合わせ、多くのスタッフを用意し、一度に多人数を診療することができました。

<改定後>
一度に多人数の診療することは大きな減算になります。
そのため、医院経営を考えると今までと同じという訳にはいかなくなります。
このままでは、訪問歯科診療からの撤退を考える歯科医院も出て、患者様に必要な歯科医療を提供することができなくなる恐れすらあります。

では、安定した訪問歯科診療を施設で実施するためには、どのようにすればいいのでしょうか。

歯科医院での働き方に変化を加える

これまでの訪問歯科診療は、訪問チームを組んで在宅以外に施設などに訪問し、たくさんの患者様のニーズに合わせた幅広い診療をすることも成功のポイントになっていました。

しかし、改定後は今までのように訪問チームだけで訪問するのではなく、様々な変化に対応できるよう働き方も工夫してみてはいかがでしょうか。
雇用創出やスタッフの安定化を図るためにも訪問チームのスタッフだけでなく、口腔ケアや急患対応に対応できる外来スタッフも増やしていき、より多くのスタッフで訪問の患者様のニーズに応え、さらには介護報酬改定のあった訪問先の施設との関係構築を強化することで、より訪問歯科診療の安定化を図ることができるようになります。
また、訪問歯科診療をおこなっていない歯科医院もぜひこの機会に在宅医療という分野に参入してみてはいかがでしょうか。

多職種との連携強化

国の地域包括ケアでは「在宅医療の体制整備」と「在宅医療・介護連携の推進」を掲げています。

【注目!】
多職種連携に努める医院や病院に対してはさまざまな算定ができる

逆に言うと、連携を図らず歯科医院単独で在宅医療に取り組めば失敗する可能性も高くなります。
とは言え、日本の超高齢社会の対応として、訪問歯科診療を考えないのは経営戦略的なリスクがあります。

引用元:厚生労働省保険局医療課 令和6年度診療報酬改定の概要【歯科】(令和6年3月5日版)P.47-48.(参照2024-03-25)

まとめ

このように国が推進している状況では、訪問歯科診療へ取り組むことはマストです。
自院が地域医療を担う歯科医院として何を求められているかを把握できれば、医院としてのステップが見えてくるのではないでしょうか。
そうなれば、背伸びせずとも、安定した経営につなげることができます。

デンタルサポートは訪問歯科診療サポートのパイオニアであり、さまざまな問題を解決してまいりました。
先生の今後のビジョンをお話しいただき、少しでも前向きになれるようなお手伝いをさせていただければと考えております。

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