Column
コラム
こんにちは、デンタルサポートの木下です。
訪問歯科診療サポート業務に携わって20年。
北海道・東北・関東・関西・九州で訪問歯科サポート業務を行い、累計4,000回以上の現場経験から感じたことをご紹介したいと思います。
今回は訪問歯科診療で重要な要素である家族連絡についてです。
家族連絡をおろそかにすると深刻なクレームに発展しかねません。
患者様を診療する際にご家族が立合いであれば、ご家族にも口腔内を確認していただき、診療方針の説明を行い、ご納得いただければそのまま診療開始をして問題はありません。
しかし、施設に入居されている患者様の多くはご家族の立合いがありません。
そんな時の家族連絡の注意点やクレームを防ぐ信頼構築術をご紹介いたします。
目次
主訴を特定するためには、次の3つをしっかり確認しましょう。
患者様が何を一番望まれているか、しっかりお話しを聞くようにしましょう。
歯科医師から見てあきらかに悪い箇所があっても、患者様は違う箇所を気にされている場合があります。
治療の優先順位を患者様にご納得いただけるように説明を行ってください。
患者様のご要望と口腔内が一致しない場合や患者様が思い込み、勘違いをしている場合があります。
そのような時は、介護スタッフやご家族などに普段の食事の様子を聞いたり、口腔に関してのヒアリングを行ったりしましょう。
訪問歯科診療の患者様は、身体的もしくは精神的理由があり通院が困難な方々です。
初診時は口腔観察だけでなく、全身の観察を行うようにしましょう。
下記の項目は必ず確認をしてください。
主訴と上記項目を確認して診療方針を検討しましょう。
ご家族へ診療方針の説明、提案を行う際は次の項目に注意しましょう。
施設入居者が訪問歯科診療を利用する際は施設職員がご家族に連絡し、歯科医院に依頼する場合が多くなります。
ご家族は患者様の口腔内の状態を正しく把握していない場合が多いので、まず口腔内の現状を詳しく説明する必要があります。
ご家族が状態を知っていると思い込み話を進めてしまうと、不親切な説明になってしまい不信感を抱かれてしまいます。
説明をする際についつい出てしまう歯科用語は、患者様やご家族とって理解しにくいものです。
下記の歯科用語は次のように言い換えて説明するとわかりやすくなります。
診療方針を一方的に押し付けるのではなく、複数の診療方針を提示し、選択していただくことにより不満やクレーム防止にもつながります。
ここでは、3つの選択肢をご紹介します。
➀歯科としておすすめの治療方針
一般的にこれを選択されるご家族が多いと思います。
治療中に方針変更する場合は、必ず家族に変更内容を説明し承諾を得るようにしてください。
②応急処置による現状の改善
金銭的に余裕が無い、家族にとって歯科は優先順位が低い、転所の予定があるなどの家族背景が予想されます。
③治療後の定期的なメンテナンスや歯周病予防
どのくらいの間隔と期間で行うかご相談しておく必要があります。
これまでは患者様の口腔内説明や診療方針について歯科側から会話を進めてきましたが、必ずご家族からのご希望やご意見を聞くようにしましょう。
歯科からの一方的な話で終わるのではなく、話の主導権をご家族に預け、ご希望やご意見をお聞きする事ができれば信頼関係構築の基礎になるでしょう。
その他どんな些細な事でも、患者様とご家族のご要望やご意見は必ずカルテなどに残しておきましょう。
訪問歯科診療は「治療を受ける人」と「支払いをする人」が違う場合がほとんどです。
そのため、治療費の支払いをされるご家族のご希望も把握していないとクレームに発展する場合があります。
訪問歯科診療を行うとさまざまな患者様やご家族がいらっしゃいます。
患者様にはもちろんご家族にも寄り添った対応を心掛けて、信頼関係を構築しましょう。
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