Column
コラム
こんにちは。デンタルサポート歯科事業部の髙尾です。
院長先生、このデータをどう読みますか?
帝国データバンクの調査によると、2025年の歯科医院の倒産は25件にのぼり、過去最多を更新しました。休廃業・解散は147件で、倒産の約6倍にあたり、こちらも過去最多です。
地域の信頼が厚く治療技術が高い医院でも、収益を外来の保険診療のみに依存している限り、こうした経営リスクは避けられません。
課題を正確に掴むために、まずは外来中心の経営の弱点を整理します。
出典:帝国データバンク「医療機関の倒産・休廃業解散動向調査(2025年)」(2026年1月23日発表データ)
目次
外来の保険診療のみに依存する従来の経営モデルには、現在の厳しい市場環境において見過ごせない弱点が3つあります。
象徴的な例として、むし歯治療に欠かせない金銀パラジウム合金(金パラ)の価格推移があります。
金銀パラジウム合金は、世界的な金属高騰と円安のダブルパンチを受け、2026年3月の随時改定で公定価格(告示価格)は1gあたり3,802円から4,779円へと引き上げられました。
しかし、実際の仕入れ価格はこの公定価格をさらに上回る水準で高止まりしています。その結果、「保険で請求できる金額より、材料の仕入れ値のほうが高い」という、逆ざやによる持ち出しに頭を悩めている院長先生も多いのではないでしょうか。
このように、売上の上限(保険点数)は国のルールで一律に決められている一方で、材料費や電気代などの各種コストは社会情勢によって上がり続けています。この板挟みの構造が変わらない限り、外来診療だけで経営を維持するのには限界があります。
歯科医院の経営を圧迫している要因は、材料費だけではありません。
近年では、歯科衛生士の確保・維持にかかるコストの増加も、現場に大きな影響を及ぼしています。一般社団法人 全国歯科衛生士教育協議会の調査によれば、令和8年度の新卒歯科衛生士の求人倍率は23.1倍にのぼります。
歯科衛生士の給与を上げなければ、新規の応募が集まらないだけでなく、既存スタッフの離職も進み、診療枠の縮小につながります。しかし給与を引き上げれば、医院の利益が圧迫されます。
出典:一般社団法人 全国歯科衛生士教育協議会「歯科衛生士教育に関する現状調査の結果報告」(令和8年6月)
「令和6年歯科疾患実態調査」によると、80歳で20本以上の歯を維持する高齢者の割合は60%を超え、予防歯科の広がりが数字にも表れました。子どもの虫歯罹患率も低下しており、世代を問わず口腔内の健康状態は着実に改善しています。
つまり、「痛くなったら来院し、削って詰めて終わる」という従来の外来モデルは、すでに限界を迎えているのです。多くの医院が「予防歯科・メインテナンス」へのシフトを急いでいますが、地域競合との差別化やリコール定着がうまくいかず、移行が進んでいないのが現実です。
しかし、外来診療には予防型・治療型を問わず、「通院できること」という共通の前提があります。ところが高齢化が進むほど、身体機能の衰えなどにより通院が難しくなる患者様は増えていきます。要介護状態になると、歯科医療の必要性はむしろ高まるにもかかわらず、通院という前提自体が崩れ、外来の枠組みから外れてしまうのです。
出典:厚生労働省「令和6年 歯科疾患実態調査結果の概要」
材料費、人件費、患者構造という3つの弱点は、外来の保険診療という枠組みだけでは解決が難しい課題です。
特に、患者構造の変化によって生まれる「通えない患者」の受け皿となっているのが、訪問歯科診療です。訪問歯科診療は単なる補完策ではなく、これらの構造的課題を打開し、経営の新たな柱となる選択肢としての存在感を増しています。
こうした経営基盤の変化に加えて、国もまた、急増する高齢者人口と在宅医療ニーズを見据え、訪問歯科診療の中でも特に在宅医療を手厚く評価する方向へ舵を切っています。
厚生労働省が公表した「令和8年度診療報酬改定の概要」では、歯科訪問診療の点数体系が見直されました。1人の患者と丁寧に向き合う歯科訪問診療料は点数が引き上げられ、一方で同一建物で多数の患者をまとめて診療する場合は、対象人数が多いケースほど実質的に評価が下がる仕組みになっています。
訪問歯科衛生指導料も同様に、対象患者が1人の場合は評価が高まり、多人数を対象とする場合は評価が下がる方向で見直されました。
在宅歯科医療における多職種連携を評価する加算の新設・拡充が図られたのも、地域の医療・介護と連携しながら支援体制を整える医院を、国が後押ししていることの表れといえるでしょう。
加えて、歯科医師の指示のもとで歯科衛生士が担える指導業務の範囲も広がり、限られた人員体制でも訪問診療を進めやすい環境が整いつつあります。
こうした制度の変化は訪問診療という選択肢の価値をさらに高めています。外来の保険診療だけに依存した経営から一歩踏み出し、訪問歯科診療という第2の柱を持つことは、今の制度の方向性にも合致した、時流を捉えた判断ではないでしょうか。
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【歯科】」
では、どのような医院にとって訪問歯科診療が特に有効なのか、具体的に見ていきましょう。
歯科経営においては、技術の向上に加えて、外部環境の変化に備えた経営基盤の構築が必要です。材料費の高騰、価格転嫁の難しさ、採用難、むし歯治療の減少などにより、外来診療(保険診療)への依存は脆弱性を抱えます。こうしたリスクを分散する有効な打ち手が、訪問歯科診療です。
訪問歯科診療の導入にあたり、院長先生がお一人ですべてを準備する必要はありません。デンタルサポートが、医院の規模やスタッフの人数などに応じて、オーダーメイドの立ち上げ・運用支援を行なっています。訪問歯科診療という「第2の柱」を築き、経営をより強固にしませんか。初回のご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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