Column
コラム
こんにちは。デンタルサポート歯科事業部の萩原です。
訪問歯科診療サポート歴20年。現場サポート、介護施設などへの営業経験を活かし、「訪問歯科を”地域に必要とされる診療”として根付かせる」ことを目標に支援を提供しています。

院長先生、次のようなお悩みはありませんか?
「訪問歯科を始めたいけれど、自院に適した訪問エリアがわからない」
「訪問依頼を断れずに遠方まで行っていて、移動時間が長い」
「効率的な訪問ルートがわからず、時間やコストがかさんでいる」
在宅患者様や施設からの依頼を受けることは地域医療への重要な貢献ですが、限られた時間と人員で運営する以上、エリア設定は経営の生命線です。適切なエリア設定を行わないと、スタッフの疲弊や収益性の悪化を招き、結果として継続的な医療提供が難しくなります。
そこで、今回は、訪問エリアを決定するための考え方と効率的にルートを設計する方法を解説します。
目次
訪問歯科診療の経営において重要なのは、「1時間あたりの収益性」です。
例えば、患者1人あたりの平均診療報酬が16,000円だとしても、遠方のため往復で1時間半かかる場合、1時間あたりの収益は10,600円に下がります。一方で、近隣の施設で効率よく診療すれば、同じ1時間半で複数の患者に対応できるため、時間あたりの収益は高まります。
訪問エリアを広げすぎると収益性が下がる傾向があるため、「どの範囲であれば採算が合うのか」を試算し、明確にしておくことが大切です。
採算が合わないエリアからの依頼を受け続けると、人件費、ガソリン代、時間が圧迫され、経営をも圧迫する可能性があります。
訪問エリアを設定する際、「医院から〇km」といった直線距離だけで判断しがちです。しかし、実際の「移動時間」には、交通渋滞、駐車場の有無や場所など、さまざまな要因が複雑に影響します。移動時間が長くなると、1日に訪問できる件数が減少し、結果として収益性の低下につながる恐れがあります。
例えば、医院から5km圏でも、都市部は交通渋滞により30分以上かかることもあります。一方で、郊外であれば10km離れていても、信号が少なく20分で到着できる場合もあります。
そのため、訪問エリアは地図上の距離だけでなく、「片道○分以内で到着できるか」という移動時間を基準に検討することが重要です。具体的には、片道20~30分以内のエリアに設定することで、訪問件数を安定させやすくなります。
多くの医院が「医院を中心とした円形の○km圏内」を想定します。しかし、実際には道路事情や地形、施設の分布状況によって効率的な訪問可能エリアは変わります。そこで、主要な幹線道路沿いに「帯状のエリア」を設定すると、移動時間を短縮でき、より効率的なルートになります。
訪問スケジュールを組む際には、点在する訪問先を効率的に巡回できるルートを作成します。そのうえで、エリア全体を体系的に管理する工夫が大切です。
以下の3つのポイントを意識してみましょう。
「月曜日は南エリア」「火曜日は東エリア」というように、曜日ごとに訪問エリアを固定することで、移動効率が向上します。
また、施設側も訪問日を把握しやすくなるため、予定が立てやすく、キャンセル率の低下にもつながります。
居宅患者様への訪問は地理的に分散しやすく、移動効率が下がりがちです。そこで、複数の患者様がいる施設を拠点とし、その周辺の在宅への訪問を組み合わせることで、移動効率を高められます。
地図アプリやルート最適化アプリなどが訪問診療のルート設計に活用できます。
例えば、Googleマップの「マイマップ」機能を利用すれば、訪問先を地図上で可視化できます。
また、訪問介護や在宅医療、運送業などで使われる専用のルート最適化アプリを利用すると、最短ルートや効率的な訪問の順序を自動的に提案してくれるため、スタッフの負担を軽減できます。
ここまで適切なエリア設定と効率的なルート設計について解説してきました。このようにエリアを限定すると、どうしても対応できない患者様が出てきてしまいます。しかし、「すべての依頼を自院で受け入れる」ことが、最良の地域貢献であるとは限りません。無理な遠方訪問は診療の質や患者ケア全体の質を下げてしまいます。
そのため、訪問エリアを明確化し、エリア外からの依頼は、近隣の訪問歯科医院と紹介し合う連携体制を築くことが大切です。こうした取り組みは、自院の負担軽減だけでなく、地域全体の医療体制の強化にも役立ちます。
訪問歯科診療では、開始当初の想定と実際の運用状況が徐々にずれていくことは珍しくありません。
そのため、半年に1回を目安に、各エリアの訪問件数、1日あたりの走行距離、スタッフの残業時間などをデータ化し見直す「エリア点検日」を設けることをおすすめします。
定期的に分析することで、訪問ルートの最適化やエリアの再設定といった改善策を講じることが可能になり、効率的な訪問診療を維持することができます。
訪問歯科診療は、歯科医院の経営において重要な柱のひとつです。したがって、訪問エリアの設定は経営戦略にとって重要な要素となります。
エリアを安易に拡大してしまうと、移動時間が長くなり、スタッフの負担が増え疲弊につながります。その結果、収益性が悪化するなど、悪循環に陥る恐れがあります。
エリア設定を適切に行えば、移動にかかる時間が短縮され、診療の効率が向上します。そのため、1日に訪問できる患者数を増やせる可能性も高まります。
✓ 明確なエリア戦略を持つ ✓ 効率的なルート設計を徹底する ✓ 定期的にデータに基づく見直しを行う ✓ 地域内の他医院との連携体制を構築する
つまり、短期的なチャンスを逃すことを恐れて無計画にエリアを広げるのではなく、これまで解説してきたように計画的に進めていくことが、長期的な成功や地域への真の貢献につながります。
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