Column

訪問歯科診療 公開日:2025/11/12

【訪問歯科診療の市場調査】エリア選定と競合分析で失敗しない事業計画を

【訪問歯科診療の市場調査】エリア選定と競合分析で失敗しない事業計画を

こんにちは。デンタルサポート訪問サポート担当の野田です。
私は地方エリアでの現場サポートや訪問先営業など、訪問歯科診療の支援業務全般に携わっています。
訪問歯科診療に関するお悩みから問題点を分析し、課題解決のヒントをお伝えします。

筆者画像

超高齢社会が進行し、在宅療養を望む高齢者が増えるなか、訪問歯科に参入する歯科医院が増加しています。
しかし一方で、「患者が増えない」「施設と契約できない」「競合に先を越された」というご相談が当社へ寄せられています。お話を伺うと、外来の開業時には市場調査を行ったものの、訪問診療の導入前には実施していなかったというケースが少なくありません。これらの課題は、訪問診療を始める前に十分な市場調査をしていなかったことが主な要因として考えられます。
そこで今回は、訪問歯科診療を成功させる上で不可欠な市場調査の重要性と具体的な進め方について解説します。

訪問歯科の要「戦略的エリア選定」とは

訪問歯科診療において重要なのは、戦略的なエリア選定です。
エリア選定とは、市場調査の結果を基に、歯科医院から訪問可能な範囲内(※)で「どの地域を重点的に開拓するか」を明確に定めることです。

※保険適用の場合、歯科医院から患者様の自宅や施設まで直線距離で半径16km以内と定められています。

地域特性の違いが成否を分ける

同じ市区町村内でも、地域によって「高齢者人口の割合」「介護施設数」「競合医院の分布」は大きく異なります。こうした違いを、戦略的な視点で分析することが大切です。
例えば、A地区は高齢者人口が多いものの、すでに競合する医院が3院あるため、「競争が激しいエリア」と言えます。一方で、B地区は高齢者人口は中程度ですが、競合医院が1院しかないため、「開拓の余地があるエリア」と判断できるでしょう。
このようにデータを多角的に分析し、「潜在的な需要が高く、かつ競合が少ないエリア」を見つけ出すことが、効率的に訪問歯科を運営するための重要なポイントとなります。

医院の体制に応じたエリア選定

医院の体制によっても選ぶべきエリアは変わってきます。
例えば、「週1日の訪問診療を想定している医院」と「週3日以上の本格的な訪問診療を目指している医院」では、最適なエリアや最適なエリアや患者セグメント(施設入居者中心か、居宅在宅患者中心か)が大きく異なります。それを把握せずにスタートしてしまうと、想定していた患者数を確保できず、結果として稼働日数を減らさざるを得なくなるリスクがあります。
つまり、「エリア選定」とは、しっかりとしたデータに基づいて「どの地域に参入するか」を判断する重要な戦略なのです。

ニーズの把握が重要な理由

訪問歯科診療の主な訪問先となる介護施設では、一般的に「対応の早さ」「治療後のフォロー」「口腔ケアの質」などが重視されます。
さらに、実際の調査では、「現在どの歯科医院が訪問しているのか」「施設側が抱えている課題や不満は何か」など、より具体的で詳しい情報を収集する必要があります。
このように、施設ごとの「具体的なニーズ」を把握することが、選ばれる歯科医院になるための第一歩となります。

競合分析が「勝てる戦略」を生み出す

市場調査の大きな目的の一つが「競合分析」です。
以下の情報を整理することで、自院の立ち位置を戦略的に決めることができます。
さらに、競合医院の強みを把握し、あえて異なるエリアや最適なエリアや患者セグメントにアプローチすることで、効率的な集患活動が実現できます。

競合分析で調査すべき項目
競合医院数と分布
近隣にどの程度の訪問歯科医院があるのか
訪問頻度
どのような頻度で訪問しているのか
活動エリア
どのエリアを主な活動圏としているのか
患者構成
施設入所者と在宅患者の比率はどうか
サービス内容
治療範囲はどうか(むし歯・歯周病治療、義歯調整など)
競合医院の体制や評価
患者様や施設の満足度はどの程度か

市場調査は「失敗しない訪問診療」への戦略的投資

訪問歯科診療の市場調査は、「成功への投資」です。調査を通じて得られる客観的なデータが、根拠のある戦略立案を可能にします。
また、市場調査は、実施するタイミングによって効果が異なります。

導入前

事前に需要や競合状況が明確になるため、訪問開始後の方向修正や非効率な広報活動を最小限に抑えることができます。

運営改善段階

競合の参入による患者流出や集患不振といった課題の原因を特定できるため、的確な改善策や差別化戦略を再構築することができます。

成功事例紹介

市場調査が導いた戦略転換と4か月での安定稼働

【A歯科医院の場合】
A歯科医院の院長先生は、以前の勤務先で障害者歯科治療の経験がありました。その経験を活かすとともに、「障害者への歯科治療に積極的な医師が少ない」という課題も踏まえ、当初は「障害者施設」や「障害者グループホーム」への訪問歯科診療を検討していました。
しかし、「どのエリアに需要があるのか」「何を優先すべきか」などの点が明確でなく、具体的な計画を立てることができませんでした。
そこで、院長先生はこれらの課題を解決するために、当社にご相談されました。

デンタルサポートの市場調査

そこで、当社は近隣エリアの介護施設・障害者施設を中心に約150件のヒアリング調査を実施しました。
調査の結果、障害者施設の多くが既存の歯科医院との連携が強く、満足度が高いことが判明しました。一方で、A歯科医院がほとんど注目していなかった介護施設分野に高い潜在需要があることが明らかになりました。

データに基づく戦略転換と成果

A医院は調査結果を受けて、当社のアドバイスに従い、主な訪問先を介護施設に変更しました。その結果、以下の成果が得られました。

  • 1か月目:障害者グループホーム(定員20人)との契約
  • 3か月目:有料老人ホーム(定員100人)との契約、併設病院(250床)への訪問診療開始
  • 4か月目:有料老人ホーム(定員80人)と契約

わずか4か月で複数の施設と安定的な契約を結び、訪問先数や患者数も順調に拡大しました。これは、事前の市場調査によって各施設のニーズを正確に把握し、的確な対応ができた結果だといえます。

まとめ:市場調査で築く持続可能な訪問歯科診療

超高齢社会において、訪問歯科診療は地域医療の重要な柱となっています。だからこそ、「データに基づいた判断」が求められます。
市場調査は、地域に真に必要とされる訪問歯科診療を実現するための「羅針盤」となります。

市場調査がもたらす3つの価値
1.
リスク回避
競合過多エリアへの参入回避、無駄な営業活動の削減
2.
機会の発見
未開拓エリアの特定、差別化戦略の構築
3.
持続的成長
データに基づく意思決定による安定経営

訪問診療の導入・拡大をお考えの院長先生へ

「自院エリアの需要は?」「競合の状況は?」といったお悩みも、市場調査によって解決の糸口が見つかります。市場調査の実施をぜひご検討ください。ただし、精度の高い調査や的確な戦略立案には、専門的なノウハウが必要です。

市場調査はデンタルサポートにお任せください

当社は25年以上にわたり、多くの歯科医院で訪問歯科診療の立ち上げを支援してきました。その経験と蓄積したノウハウを活かし、貴院の課題を解決するお手伝いをいたします。

訪問診療についてご不明な点やお悩みがございましたら、初回30分間の無料相談をご利用いただけます。どんな些細なことでも、どうぞお気軽にお問い合わせください。

お役立ち情報を発信中

InstagramやYouTubeの「デンサポチャンネル」でも役立つ情報を発信しています。ぜひフォローして日々の課題解決にご活用ください。

メルマガ登録のご案内

デンタルサポートの無料メールマガジンでは、YouTubeチャンネルの新着動画、ホームページの最新コラム、情報紙「Tooth Times」の最新号、各種セミナーのお知らせなど、幅広い内容をタイムリーにお届けしています。


訪問歯科診療Instagram

歯科医院経営でお悩みの方は、お気軽にお問合せください。

受付時間:月曜日~土曜日 午前9時~午後8時

訪問歯科診療サポートのパイオニアであるデンタルサポートが発行する、歯科医院経営者のためのメールマガジンです。
訪問歯科診療サポート現場における成功事例や、業界最新情報を配信いたします。ぜひご登録ください。

無料相談はこちら