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訪問歯科診療 公開日:2025/08/06

【訪問歯科診療の集患術➁】外来患者情報を活用して潜在的ニーズを見つけ出す

【訪問歯科診療の集患術➁】外来患者情報を活用して潜在的ニーズを見つけ出す

こんにちは。デンタルサポート訪問サポート担当の野田です。
私は地方エリアでの現場サポートや訪問先営業など、訪問歯科診療の支援業務全般に携わっています。
訪問歯科診療に関するお悩みから問題点を分析し、課題解決のヒントをお伝えします。

筆者画像

訪問歯科診療に興味はあるものの、患者様をどのように獲得すればよいか不安に感じていませんか。
あるいは、すでに訪問歯科診療を始めているものの、思うように集患できず、お困りではありませんか。
実は、新たに患者様を一から探すよりも、すでに通院されている外来患者様の中から訪問歯科診療を必要としている方を見つけ出すことが、集患や患者様の満足度向上につながります。
さらに、外来診療と訪問診療を効果的に組み合わせることで、医院の収益の向上も期待できます。
そこで今回は、外来患者様の中から訪問歯科診療の対象となる方を見極めるための3つのポイントをご紹介します。ぜひ最後までお読みいただき、訪問歯科診療の導入や集患にお役立てください。

このコラムでわかること
  • 自院の外来患者様の中から、訪問歯科診療の潜在的なニーズを効率的に見つける方法
  • 患者様やご家族の負担を軽減し、信頼関係を築くためのコミュニケーションのポイント
  • 訪問歯科診療への移行をスムーズに進め、医院の収益向上につなげる具体的な方法
訪問歯科診療の集患術 連載目次

外来患者の中から訪問ニーズを掘り起こす!3つのポイント

外来患者様の中には、訪問歯科診療への移行が適している方もいらっしゃいます。しかし、歯科医院のスタッフがその必要性に気づかない場合もあります。
特にご高齢の患者様は、体調やお口の状態が少しずつ変化することが多いため、日々の診療の中でその変化に気づきにくいことがあります。
これからご紹介する3つのポイントは、訪問歯科診療が必要かどうかを判断する際に役立ちます。

高齢の患者様は、どれくらい来院されていますか?

訪問歯科診療は、原則として「65歳以上で通院が困難な方」を対象としています。
まずは、自院の外来患者の中で、65歳以上の高齢の方がどのくらいいらっしゃるかを確認してみましょう。
厚生労働省の患者調査「年齢階級別にみた施設の種類別推計患者数(令和5年10月)」によると、調査日に歯科診療所を受診した外来患者のうち、65歳以上の方が全体の約46%を占めていました。
デンタルサポートでは、外来患者のうち65歳以上の方が2割以上いらっしゃる場合、訪問歯科診療の導入をおすすめしています。

次に、以下の項目に該当する患者様がいらっしゃるかどうかを確認してください。
該当する患者様には、無理に通院を続けるよりも、訪問歯科診療への切り替えをご提案することで、QOL(生活の質)の向上が期待できます。
また、歯科医院にとっても、患者様に継続して診療を提供できるというメリットがあります。
何よりも、患者様お一人おひとりのご状況を丁寧に把握したうえで、訪問歯科診療を選択肢の一つとしてご提案してみましょう。

確認ポイント
  • 高齢の患者様が多い:外来患者様の2割以上が65歳以上である。
  • 移動に困難を抱える患者様:杖や歩行器などの補助具を利用して来院されている。
  • 通院による負担が大きい患者様:通院時に疲労の色が濃く見受けられる。
成功事例

通院が難しくなってきた高齢の患者様5名に訪問歯科診療を提案したところ、全員が継続して診療を受けられるようになりました。
また、歯科訪問歯科診療料1(1回あたり1,100点)を算定できるようになったため、診療単価も向上しました。

外来キャンセルの理由に「通院の大変さ」が隠れていませんか?

「キャンセルが続いていた高齢の患者様が、いつの間にか来なくなっていた…」このような経験はありませんか?実は…

  • 入院や施設に入所されたに入所された
  • 認知機能が低下し、ご自身での通院が難しくなった
  • ご家族の付き添い負担が増加した

などを理由に、通院を断念されているケースが多くあります。
このような理由で通院を断念されている患者様には、訪問歯科診療の案内が有効です。通院が難しくなったタイミングこそ、訪問歯科診療が力を発揮する場面です。一歩踏み込んだ対応で、患者様との信頼関係を築き続けましょう。

今すぐできるアクション
  • 過去3カ月間で、体調不良でキャンセルされた患者リスト(高齢者)を作成する。
  • 受付スタッフから、お体の具合を気づかう電話をかける。
    (例:「○○様、最近ご来院いただいておりませんが、いかがお過ごしでしょうか。もし通院が難しいようでしたら、ご自宅での訪問歯科診療もご利用いただけます」)
  • 通院中のご家族に、訪問歯科診療についてご案内する。
    (例:「○○様のお体のことで、何かご心配なことはございませんか?訪問歯科診療という選択肢もございますので、お気軽にご相談ください」)
  • 患者様のご状況(身体の状態や通院環境)に合わせて、訪問歯科診療のメリットや診療内容を丁寧にご説明し、訪問歯科診療への切り替えをご提案する。
成功事例

B歯科クリニックでは、キャンセル患者様への積極的なフォローにより、患者様を訪問歯科診療へ移行することに成功しました。これにより、中断していた治療を再開できただけでなく、新たな収益の確保にもつながっています。

ご家族の付き添いが必要な患者様はいませんか?

患者様の中には、ご家族の送迎や付き添いが毎回必要な方もいらっしゃいます。このような場合、患者様ご本人だけでなく、ご家族にも大きな負担がかかっています。
訪問歯科診療に切り替えることで、患者様とご家族の双方にとって大きなメリットが生まれます。

訪問歯科診療に切り替えるメリット
  • 患者様・ご家族:通院の負担がなくなり、ご家族の都合や予定に合わせて診療日程を調整できる。
  • 収益面:歯科訪問歯科診療料や歯科疾患在宅療養管理料(歯在管)など、外来よりも高い診療報酬を算定できる。
  • 経営面:外来診療の空き時間(昼休みや診療後、患者様が少ない時間帯)を訪問歯科診療に充てることで、診療時間を有効に活用できる。
成功事例

C歯科医院では、歯科医師・歯科衛生士・受付を含めた全スタッフを対象とした「訪問歯科診療勉強会 待遇編」を実施した結果、スタッフから患者様への自然な声かけが増え、訪問歯科診療患者様を獲得しました。「ご自宅でも同じ治療を受けていただけます」とお伝えすることで、患者様の生活の質が向上し、歯科医院の収益増加にもつながります。

まとめ

訪問歯科を始める際に最も多く寄せられるお悩みは、「患者様がなかなか見つからない」というものです。新規の患者様を探す前に、まずは外来患者様の中に訪問歯科診療を必要としている方がいないかを見つけることが重要です。 

  • 外来患者様の身体状態を詳しく観察する:身体機能の変化や移動の困難さなどを細かく確認することで、訪問診療の必要性を判断できます。
  • キャンセルの背景にある理由を丁寧に聞き取る:単なる予定の都合なのか、通院が難しくなっている兆候なのかを正確に理解することが重要です。
  • ご家族の介助状況や付き添いの負担を適切に評価する:家族のサポート体制や送迎の実態を把握し、訪問診療が家族全体のQOL向上につながるか見極めます。

これらを実践することで、訪問歯科診療の患者様をより効率的に増やすことができます。
訪問歯科診療は、医院経営の安定と地域への貢献の両方を実現できる、今後ますます重要となる診療スタイルです。今回ご紹介した3つのアプローチを、ぜひ参考にして実践してみてください。

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