Column

訪問歯科診療 公開日:2022/08/31

歯科治療を苦手とする施設入居者様の診療開始までの6ステップ

歯科治療を苦手とする施設入居者様の診療開始までの6ステップ

こんにちは、デンタルサポートの木下です。
訪問歯科診療サポート業務に携わって20年。
北海道・東北・関東・関西・九州で訪問歯科サポート業務を行い、累計4,000回以上の現場経験から感じたことをご紹介したいと思います。

今回は歯科治療を苦手とする施設入居の患者様の事例をもとに、アプローチの方法についてご紹介します。

歯科診療を拒否する患者様へのアプローチ

今回の事例の場合訪問先施設へのヒアリングから、患者様が歯科診療を苦手としていること、歯磨きを積極的に行わないことが課題としてわかってきました。
そこで、いきなり治療を行うのではなく、長期にわたり6つのステップを踏みながらアプローチをする計画を立てました。
結果として、患者様の診療への恐怖心を和らげることに成功し、訪問歯科診療開始から約8カ月で歯石除去の処置、約9カ月でカリエス処置もできるようになりました。

患者様のプロフィール
訪問先:障害者施設
年齢:55才
既往歴:統合失調症、うつ病、圧迫骨折(認知症の既往無し)
施設依頼:歯科診療に恐怖心があり診療を拒否。歯磨きを積極的に行わないため口腔環境が心配。
歯科治療:治療に対する拒否感が強く、口腔ケアも難しい状態。

ステップ1 仲良く会話ができる関係性の構築

  • 無理に治療を勧めない。
  • 毎回挨拶や声掛けをする。
  • 顔と名前を憶えてもらう。
  • 患者様が好きなことや嫌いなこと、興味があることを教えてもらう。

ステップ2 歯磨きを褒める

  • 歯科診療で使用している歯ブラシをプレゼントする。
  • プレゼントした歯ブラシで歯磨きする姿を時折見せてくれるようになれば、冗談を絡め、楽しく会話しながら歯磨きを褒める。

ステップ3 口腔ケアなど短い診療への誘導

  • 歯磨きに抵抗がなくなった様子が確認できたら、歯科診療での口腔ケアに誘う。
  • 談笑しながらできるだけ短い診療時間で歯式や口腔ケアを行う。
    (今までのステップから歯科医師・歯科衛生士ともに患者様と談笑できる関係になっている)

ステップ4 楽しい雰囲気で歯磨き指導を行う

  • 楽しい雰囲気の中、歯科衛生士による歯磨き指導を行う。
  • 歯磨きを自発的に行うようになるなど、些細な改善でも積極的に褒める。
  • 毎週の口腔ケアへの参加を促す。

ステップ5 歯石除去の処置を行う

  • ご機嫌が良い時に口腔ケアを行う。
  • 口腔ケアで徐々にバキュームを使用し、機械音に慣れてもらう。
  • バキューム使用に抵抗が無くなったら、振動を弱めた超音波で歯石除去を行い、超音波スケーラーにも慣れてもらう。
  • 様子を見ながら超音波の振動を上げて歯石除去を行う。

ステップ6 小さなカリエス処置などの治療から自信をつけてもらう

  • ポータブルユニットの超音波スケーラーにも慣れてきたため、小さなカリエスをCR充填する。
  • むし歯治療ができたことを施設職員に報告し、確認していただく。
  • 「むし歯の治療ができた」という自信を持つことで、他の診療にも前向きに取り組んでいただくことができる。

まとめ

その後、患者様は1年後に麻酔を使用した治療まで可能になりました。
長期入居の患者様であったことや、認知症既往ではなかったことも良い経過につながりました。
ポイントは「無理をしない、させない」で気長に接することです。
また患者様への対応で施設との信頼関係ができ、受診患者様が増えるきっかけとなりました。

今回のような事例以外にも患者様によって、どのように診療を行うのか計画を立てることは重要です。
訪問先の施設ともコミュニケーションをとりながら、患者様のペースに合わせて診療を行うことで、訪問先の施設、患者様からの信頼を得ることができます。

この他にもさまざまな事例があります。訪問歯科診療についてのお困りごとや現場サポートが必要な際には、ぜひデンタルサポートへご連絡下さい。
無料相談会も随時実施しております。

訪問歯科診療サポートについてはこちら

歯科医院経営でお悩みの方は、お気軽にお問合せください。

受付時間:月曜日~土曜日 午前9時~午後8時

訪問歯科診療サポートのパイオニアであるデンタルサポートが発行する、歯科医院経営者のためのメールマガジンです。
訪問歯科診療サポート現場における成功事例や、業界最新情報を配信いたします。ぜひご登録ください。

無料相談はこちら