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採用・求人 公開日:2025/05/21

離職率が高い歯科業界、退職代行ブームから見えた採用の課題

離職率が高い歯科業界、退職代行ブームから見えた採用の課題

こんにちは。デンタルサポートの歯科採用職人 石田です。

「せっかく採用したスタッフがすぐに辞めてしまう…」そんな悩みを抱えている歯科医院の院長先生は多いのではないでしょうか?
「採用難」が続く歯科業界において、人材の採用と定着は健全な医院運営の第一歩です。
このコラムでは、退職代行の事例から見える歯科医院の採用課題を分析し、ミスマッチを防ぎ、定着率を高めるための具体的な対策をご紹介します。
採用コラムではすぐに役立ていただける情報の発信を心がけていますので、参考にしていただけたら幸いです。

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なぜ、新卒スタッフは早期退職するのか?

ゴールデンウィークも終わり、4月に入職した新卒スタッフも少しずつ医院に馴染み始めた頃かと思います。しかし、この時期には退職希望者が増えるのも現実です。
研修を終え、本格的に仕事に取り組み始める時期の退職には、一体どのような背景があるのでしょうか。
そこで今回は、年度初めに各メディアを賑わせた「退職代行会社」に寄せられている依頼理由から、スタッフの採用・定着に活かせるヒントを探ります。

求人票と現実のギャップ

2025年4月8日放送のテレビ朝日「モーニングショー」で、退職代行サービス「モームリ」の谷本慎二代表は、「依頼理由で一番多いのは、労働条件などが入社前に聞いていた話と違ったというもの。労働条件や給与など、企業側が良く見せすぎているパターンも増えてきているため、ギャップが発生している」と述べています。(引用元:テレビ朝日「モーニングショー」2025年4月8日放送)

歯科業界に限らず、求人票に記載されている内容と実際の勤務内容に多少のギャップが生じるものです。
以前は多少の相違は許容される風潮がありましたが、今の若い世代はこれを「騙された」と捉え、職場への不信感から退職を選ぶ傾向にあります。
ここでは、今の若者たちの価値観を理解していただくために具体例をご紹介します。

暗黙の了解は通用しない?!

「5分前行動」や「始業時間前に出社し、準備を整え、始業時間からすぐに仕事をスタートする」という暗黙の了解は、今の若い世代には理解されません

Point
最近では制服などの着替え時間も、一般的には労働時間に含まれると判断されるようになり、従業員が会社の指揮命令下にあれば労働時間にあたると解釈されています。
雇用側も労働時間に関する扱いについては情報のアップデートが必要です。

残業は悪?残業に対する価値観の違い

「働き方改革」が進む中、「残業は悪いもの」というイメージが広がっています。
繁忙期や人手不足などでゼロ残業の実現は難しい場合もありますが、雇用側が残業時間を過少に掲載すると、不信感を招く結果になります。

Point
職業安定法に基づく求人票の作成では、時間外労働の有無、ある場合は具体的な時間または月平均の時間を記載する必要があります。
最近では「月に10時間程度」といった実績を記載するケースが増えています。

なぜ、若者は簡単に退職してしまうのか?

なぜ若者は簡単に退職を選ぶのでしょうか?その背景には以下のような要因があります。

  • 少子化の進行
  • 若い世代を欲する求人票の増加
  • 「第二新卒」の転職市場の活況 など

このような要因から、転職が容易になり、退職によるデメリットをさほど感じない状況にあるからだと考えられます。

歯科医院が新人の定着を実現するための具体策

このように、求人票と現実のギャップは、早期退職の大きな要因となります。
では、なぜこのようなギャップが生じるのでしょうか。
求人票を作成する際に、人材確保を焦るあまり、ついつい過大表現をしてしまったり、ネガティブな情報を隠してしまったりするケースもあるのではないでしょうか。
求職者は求人票の情報をもとに仕事を選ぶため、記載内容と実際の労働条件が異なると、ミスマッチが生じやすくなります。
ミスマッチの多くは、正確な情報提供によって防ぐことができます。

(1) 求人票に正確な情報を掲載する

給与、勤務時間(残業時間も含む)、休日、福利厚生など、求人票には正確な情報を記載しましょう。
過剰な表現や曖昧な表現は避け、実態に即した情報を提供することが重要です。

※収入面の認識のギャップは、初回の給与やボーナス支給後すぐの退職となる大きな要因となるので注意が必要です。
※直近の時間外労働が人手不足により一時的に増加している場合は、その事情を面接時に正直に説明しましょう。納得を得た上での入職であれば退職の原因になりにくくなります。

(2) 面接では丁寧な説明を行う

面接では、医院の理念、職場環境、仕事内容について詳細まで説明し、応募者の疑問や不安を解消するよう努めましょう。
また、応募者からの質問を積極的に促し、双方の認識を一致させることが重要です。

(3) 雇用契約締結の機会を設ける

早期退職の原因の一つに「騙された」という不信感があります。
これを防ぐには、入職前に時間を取り(別日)、双方が納得の上で、雇用契約を締結することが効果的です。

主な目的は下記の通りです。

  • 勤務開始前の雇用契約書の締結または労働条件の明示が義務付けられているので、確実に実施するため
  • 給与条件や賞与に関する規定などを事前確認し、納得のうえで入職してもらうため
  • 就業規則(特に試用期間、遅刻・早退、有給休暇、退職に関するルールなど)について、事前に説明し、理解を深めてもらうため

(1)~(3)を実践すれば、初歩的なミスマッチは概ね防止できるでしょう。
手間はかかりますが、早期退職による既存スタッフの負担増加や紹介料の損失を考えれば、十分にメリットがあります。

まとめ

今回は、話題の退職代行会社に寄せられた退職理由をもとに、早期退職の理由と改善策を解説しました。
早期退職の大きな要因は、求職者と歯科医院の価値観のずれによるミスマッチです。
ミスマッチを防ぐには、正確な情報開示、面接での丁寧な説明、雇用契約締結時の確認が重要です。

デンタルサポートの求人掲載代行サービスでは、歯科医院の魅力を伝える求人票の作成から面接までサポートし、ミスマッチを最小限に抑え、早期退職を防ぎます。
具体的には、スタッフへのインタビューを通じて求職者が注目するポイントや正確な情報を引き出し、応募意欲を高める求人票を作成します。
また、選考や退職防止に関するアドバイスも追加費用なしで提供しています。
無料相談も受け付けていますので、採用課題についてお気軽にお問い合わせください。

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